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今日の問題(2020年11月10日)解答

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今日の問題の解答です。

adbc0 を満たす正定数a,b,c,d に対して,

f(x)=ax+bcx+d (x0)

とおく.関数ρ(x,y)

ρ(x,y)=|log(xy)|(x,y>0)

で定める.このとき,任意のx,y>0に対して,次の二つの不等式が成り立つことを示せ.

  1. ρ(f(x),f(y))|log(adbc)|.

  2. ρ(f(x),f(y))|adbcad+bc|ρ(x,y).

(平成22年度東京大学大学院数理科学研究科 専門科目A第7問)

【略解】

  1. g(x)=logf(x)=log(ax+b)log(cx+d)とおくと

g(x)=aax+bccx+d

=adbc(ax+b)(cx+d)は定符号だからg(x)は単調. 

(1-a)adbc>0のとき,logbdg(x)logacだから

log(f(x)/f(y))=g(x)g(y)

logbdlogacg(x)g(y)logaclogbd

(1-b)adbc<0のとき,logacg(x)logbdだから

logaclogbdg(x)g(y)logbdlogac

となるので

ρ(f(x),f(y))=|log(f(x)f(y))||logaclogbd|=|log(adbc)|

となる.

⑵ (2-a)adbc>0のとき

xyならばg(x)g(y)だから

ρ(f(x),f(y))=g(x)g(y)ρ(x,y)=logxlogyである.

h(x)=g(x)klogxとおく.(kは0でない定数)

h(x)=adbc(ax+b)(cx+d)kx

=(adbc)xk(ax+b)(cx+d)x(ax+b)(cx+d)

の分子をxについて平方完成すると

kacx2{k(ad+bc)(adbc)}xkbd

=kac{x+k(ad+bc)(adbc)2kac}2kbd+{k(ad+bc)(adbc)}24kac

となるので、もし

kbd+{k(ad+bc)(adbc)}24kac=0であれば

k=(ad±bc)2(ad+bc)(adbc)=ad±bcadbc

である.(複号同順)

そこでk=adbcad+bc(>0)とすると

h(x)=1x(ax+b)(cx+d)[kac{x+k(ad+bc)(adbc)2kac}2]0

となるのでh(x)は単調減少.

よってh(x)h(y)だから

logf(x)logf(y)k(logxlogy) すなわち

ρ(f(x),f(y))kρ(x,y)である.

xy ならば g(x)g(y)だから上と同様にして

ρ(f(x),f(y))=logf(y)logf(x)k(logylogx)=kρ(x,y)となることがわかる.

(2-b)adbc<0のときも(2-a)と同様にしてk<0h(x)は単調増加であり

ρ(f(x),f(y))(k)ρ(x,y)が成り立つことが示される.

以上からρ(f(x),f(y))|adbcad+bc|ρ(x,y)が成り立つことが示された.

投稿日:20201110
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PCを持っておらずiPadで書いている為見づらいかもしれませんが、ご容赦ください。横浜市立大学理学部数理科学科卒業。東京大学大学院数理科学研究科修士課程終了。

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