2次関数の因数分解は中学3年で習います。
高校受験にも出てくるとても重要な内容です。
その因数分解に2019年12月新しい解法が数学者
ポーシェン・ロー(Po-Shen Loh)さんによって
発見されました。
その方法を今回は解説します!
解説に入る前に発見者のLohさんについて少しでも
知ってもらってから読み進めてもらえたら嬉しいです。
Lohさんはアメリカのカーネギーメロン大学
(Carnegie Mellon University)の天才数学者であり、
国際数学オリンピック米国チームのナショナルコーチ
としても活躍している人です。
今回の新解法を使うメリットは、
暗記要素が一切ない!
手順さえわかっていれば中学での学習範囲内の計算方法
だけで答えを導くことができる。これが最大の利点です。
逆にデメリットもあります。それは、この解法を用いる
ための条件です。解の公式は、$ ax^2+bx+c $であれば
$ a,b,c $がどのような数値でも計算可能です。
しかし今回解説する新解法は、“$ a=1 $”これが絶対条件です。
つまり、$ x^2+bx+c $の場合でしか新解法は使えないということです。
以上のことを踏まえて以下の解説を読み進めてください。
それでは始めしょう!
ステップは大きく分けて4つです。
①. $ x $の価数($ x^2+bx+c $の時、$ b $を指す)に$ 1/2 $をかける
②. ①を2条して$ c $を引く
③. ②に平方根($ √ $)をつける
④. ①$ ± $③
以下では少し詳しく説明します!
ですが、文字式が苦手な人は例題までスワイプしましょう笑
まず①は、$ b/2 $ となります。
②に移り、この式は $ (b/2)^2-c $ です。
③は、 $ \sqrt{(b/2)^2-c} $ です。
④が答えとなり、 $ x=b/2±\sqrt{(b/2)^2-c} $
と表すことができます。
ここからは実際に数値を代入して解説します。
この問題であれば簡単に解けますが、今回は新解法
を用いて解きたいと思います。
ここでも手順に沿って解いていきます。
①. $ x $の価数に$ 1/2 $をかけるので、今回は$ -3 $です。
②. ①を2条して、$ x^0 $の価数を引くので、
$ (-3)^2-(-16)=9+16=25 $
となります。
③. ②に平方根を付けるので、$ \sqrt{25}=5 $となります。
④. ①$ ± $③なので、$ -3±5 $
つまり解は、$ 2,-8 $になります。
よって、$ x^2-6x-16=(x+2)(x-8) $という形になり、
因数分解ができました!
このような桁の多い数でも解くことができます。
それではやっていきましょう!
①. $ 55/2 $になるのですが、通分できないのでそのまま
次のステップに進みます。
②. $ (55/2)^2-666=3025/4-666=361/4 $
③. $ \sqrt{361/4}=19/2 $
④. $ 55/2±19/2 $
つまり、$ 37,18 $
よって答えは、$ x^2+55x+666=(x+37)(x+18) $
になります。
いかがだったでしょうか?
今回はLohさんの新しい因数分解の解説をしました!
中学のうちに覚えさせられる因数分解の方法を直してまで
この方法で解く必要は無いですが、ちょっとした遊び心で
今までと違うやり方で解いてみるのも面白いかもしれません笑
最後まで読んでいただきありがとうございました!!