半群は解析学などにも応用がある。
半群
を空でない集合とする。がについて半群であるとは、任意の元について、結合律が成立することである。
半群の例2
を集合とする。からへの写像全体の集合は合成について半群である。
半群の例3
少し変わった例を紹介する。を空でない集合とする。任意の元について、とすると、はについて半群になる。これを左零半群という。
半群は非常に範囲が広い。そのため、特殊な半群について考察するところから始める。そのために半群の特殊な元をいくつか紹介する。以下、を半群とする。
単位元
任意の元についてととなるときは左単位元であるという。
右単位元も同様に定義する。左単位元で右単位元でもあるものを両側単位元という。
零
任意の元についてとなるときは左零であるという。右零も同様に定義する。
左零、右単位元の例
左零半群においては任意の元は左零であり、右単位元でもある。
群のときも同様に、単位元などには適切な性質がある。
半群が左単位元と右単位元を持てばは両側単位元も持ち、これは唯一つである。
左側単位元としてを、右単位元をとる。(ここで一つ目の等式はが右単位元であることを用いている。二つ目の等式も同様である。)よって、は右単位元でもある。つまり、両側単位元も持つ。両側単位元の唯一性はから明らかである。
半群が左零と右零を持てば両側零も持ち、それは一意的である。
半群Sの0添加
を半群とする。の元ではない記号を取り、に上の二項演算を次のように定める。
このように定義した演算については半群になる。これをの添加といい、記号で表す。
半群Sの1添加
を半群とする。の元ではない記号を取り、に上の二項演算を次のように定める。
このように定義した演算については半群になる。これをの添加といい、記号で表す。
は唯一つの両側零を持ち、は唯一つの両側単位元を持つ。
が零を持っていたとしても、においてはその元は零ではない。
0添加の例
は について半群になる。集合 上の二項演算を
と定義すると、は について半群になる。が単位元でが零である。
以下、群論の部分群にあたる部分を定義する。
部分半群
を半群、をその部分集合とする。という条件が成立するとき、は部分半群であるという。
以下これから作ります