以前思いついた環論の問題を記事にします.
$R$は体でない可換環で,$(1)$を除く任意のイデアルが有限集合とする.このとき$R$は有限環である.
$R$は零環でないとしてよい.
$R$は体でも零環でもないので,$0$でも単元でもない$R$の元$a$が存在する.
$R$準同型$\phi : R \to aR$を$\phi(x)=ax$で定める.
$\phi$は全射だから準同型定理より,$|R| =| \text{Ker} \phi| |aR|$.
$a$は$0$でも単元でもないので,$\text{Ker} \phi$と$aR$は$R$の真のイデアルである.よって,上式の右辺は有限である.
以上より,$R$が有限環であることが示された.