※本記事は, 既に別所で投稿した内容 をMathlogのために書き直したものです.
$A$を対角化可能な$n$次正方行列とすると,ある$n$次正方行列$P$が存在して
$$
P^{-1}AP=
\begin{pmatrix}
\lambda_1 & & O \\
& \ddots & \\
O & & \lambda_n
\end{pmatrix}
$$
が成り立つ.このとき
$$
AP=P
\begin{pmatrix}
\lambda_1 & & O \\
& \ddots & \\
O & & \lambda_n
\end{pmatrix}
$$
である.$p_1,\cdots,p_n$を$n$次列ベクトルとして$P=(p_1,\cdots,p_n)$と書き表すと
$$
A(p_1,\cdots,p_n)=(p_1,\cdots,p_n)
\begin{pmatrix}
\lambda_1 & & O \\
& \ddots & \\
O & & \lambda_n
\end{pmatrix}
$$
すなわち
$$
(Ap_1,\cdots,Ap_n)=(\lambda_1p_1,\cdots,\lambda_np_n)
$$
となり,これより各$k=1,\cdots,n$に対して
$$
Ap_k=\lambda_kp_k
$$
が得られる.すなわち,$\lambda_k$は$A$の固有値であり,$p_k$は$\lambda_k$に対応する$A$の固有ベクトルである.従って,$A$の対角化を実現するには$A$の固有値と固有ベクトルを求めればよい.