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基底を持たない加群の例

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本稿では環は必ずしも可換ではない単位的な環、体は可換体を表すものとします。また、加群といえば「左加群」を表すものとします。

以下、Aを環、MA加群,Bを空でないMの部分集合とする。

Mの任意の元bが、Bのある有限個の元x1,xmと元a1,amを用いてb=a1x1+amxmと表されるとき、BMA加群として生成するという。

mx1,xm,a1,ambによって変化しても良い。

Mの部分集合{x1,xm}が一次独立であるとはa1x1++amxm=0a1==am=0が成立することである。

BMを生成し、Bの任意の有限部分集合が一次独立であるとき、BMの基底であるという。

零加群はを基底として持つと考えるのが一般的である。

基底を持つ加群の例

Zは自然な作用でZは左Z加群になる。このとき、Zは基底{1}を持つ。

基底を持たない加群の例

Z/2Zは自然な作用でZ加群になるが21=0のため基底を持たない。

最後に

例1はAが整域であればA加群として基底{1}を持ちます。
選択公理の元ではAが体のとき基底を持つことが知られていますがそれはまた別の機会に(任意のA加群が基底を持つようなAのクラスとかは知られているんでしょうか。少し考えてみます。)

投稿日:20201112
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投稿者

B2 現在代数学(特に環論)を勉強中。 将来は群論やりたいとか思ってます。 気が向いた時に更新していく感じでいきます。

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