バーゼル問題の証明ですが、数多くのものが知られています。有名なもので言えば、$\sin x$の無限乗積展開から導出する方法でしょう。今回は(既出でしたが)独自に見つけることができた方法を記事にしていこうと思います。
また、この記事ではディガンマ函数の相反公式と差の積分表示を利用します。その証明が知りたいという方は
こちら
のツイートにあるURLからPDFを参照してください。
ディガンマ函数の相反公式とディガンマ函数同士の差の積分表示より、
$ \begin{eqnarray*} &&\d\pi\cot \pi z\\ &=&\psi(1-z)-\psi(z)\\ &=&\int_0^1 \frac{u^{z-1}-u^{-z}}{1-u}du\\ &=&\int_0^\infty \frac{e^{(1-z)x}-e^{zx}}{1-e^{-x}}e^{-x}dx~~~~~~~~~~(u=e^{-x})\\ &=&\int_0^\infty \frac{e^{-zx}-e^{-(1-z)x}}{1-e^{-x}}dx\\ \end{eqnarray*} $
両辺を$z$で1回微分し、
$\d\frac \partial{\partial z}\pi\cot \pi z=\frac \partial{\partial z}\int_0^\infty \frac{e^{-zx}-e^{-(1-z)x}}{1-e^{-x}}dx $
$\d-\frac{\pi^2}{\sin^2\pi z}=-\int_0^\infty \frac{x(e^{-zx}+e^{-(1-z)x})}{1-e^{-x}}dx $
$\d z=\frac13$を代入し、
$ \begin{eqnarray*} &&\d\frac43\pi^2\\ &=&\int_0^\infty \frac{x(e^{-\frac13x}+e^{-\frac2{3}x})}{1-e^{-x}}dx\\ &=&\int_0^\infty x(e^{-\frac13x}+e^{-\frac2{3}x})\sum_{k=0}^\infty e^{-kx}dx\\ &=&\sum_{k=0}^\infty \int_0^\infty x\l e^{-\l k+\frac13\r x}+e^{-\l k+\frac23\r x}\r dx\\ &=&\sum_{k=0}^\infty \l\frac1{\l k+\frac13 \r^2}+\frac1{\l k+\frac23 \r^2} \r\\ &=&\sum_{k=0}^\infty \l\frac9{\l 3k+1 \r^2}+\frac9{\l 3k+2 \r^2}+\frac9{(3k+3)^2} \r-\sum_{k=1}^\infty \frac1{k^2}\\ &=&8\sum_{k=1}^\infty \frac1{k^2} \end{eqnarray*} $
両辺を$8$で割り、
$\d\sum_{k=1}^\infty \frac1{k^2}=\frac{\pi^2}6 $
以上でバーゼル問題が証明されました。
この方法はわかりやすく、かつシンプルに証明ができるので非常に気に入っています。また別の証明が思いつき次第記事にする予定です。