$n,k$を$n \geq k>1$を満たす整数としたとき、${}_n \mathrm{P}_k $は平方数にならない
という命題が成り立つと予想しています。この予想に対し、$k=5$の場合の証明を与えたいと思います。($k=2,3,4$の場合は簡単に証明できます。)
以下は殆ど当たり前のことですが、繰り返し使うので補題として用意しておきます。
4以上の2つの異なる平方数の差は$5$以上
$n \geq 2$と$r \geq 1 $に対し$(n+r)^2-n^2=2nr+r^2 \geq 4+1=5$
$n$を$n\geq5$を満たす整数としたとき、${}_n \mathrm{P}_5 $は平方数にならない
$n,n-1,n-2,n-3,n-4$は$2,3$以外の共通の素因数を持たないので、${}_n \mathrm{P}_5 = n(n-1)(n-2)(n-3)(n-4)$が平方数になった場合、互いに素な$A_1,A_2,A_3,A_4,A_5$により
$$n=2^{a_1}3^{b_1}A_1^2,$$
$$n+1=2^{a_2}3^{b_2}A_2^2,$$
$$n+2=2^{a_3}3^{b_3}A_3^2,$$
$$n+3=2^{a_4}3^{b_4}A_4^2,$$
$$n+4=2^{a_5}3^{b_5}A_5^2$$
と書ける。
[$a_1=a_3=a_5=0 $の場合]
($b_3 \geq 1$のとき)
$b_1=b_5=0$となるので、$n=A_1^2$と$n+4=A_5^2$は共に平方数になるが、これは補題1に反する。
($b_3 = 0$のとき)
$n+2=A_3^2$ は平方数になる。また、$b_1$と$b_5$のどちらかは$0$になるため、$n$と$n+4$のどちらかは平方数になり、補題1に反する。
[$a_2=a_4=0 $の場合]
$b_2$と$b_4$が共に$0$の場合、$n+1$と$n+3$が共に平方数になり、補題1に反する。一方で共に$1$以上ということもないので片方だけが$0$となる。
$b_2=0$としたとき、$n+1$は平方数で$n+3$は$3$の倍数、よって$n$も$3$の倍数となる。
また、積が平方数になるという仮定から$a_1+a_3+a_5$は偶数になるため、$a_1,a_3,a_5$はすべて偶数か、1つだけが偶数である。全て偶数の場合は$n+2,n+4$の両方が平方数になるため補題1に反する。従って1つだけが偶数である。$a_3$か$a_5$が偶数の場合、$n+2$か$n+4$のいずれかが平方数になり、$n+1$が平方数であることから補題1に反する。よって$a_1$が偶数で$a_3$と$a_5$が奇数となる。すなわち、1以上の整数$m$を用いて$a_3=1,a_5=2m+1$と書ける。このとき$n+2=2A_3^2,n+4=2^{2m+1}A_5^2$となり、$2(A_3^2+1)=2(2^mA_5)^2$、よって$A_3^2+1=(2^mA_5)^2$となって補題1に反する。
$b_4=0$の場合も同様の議論により、命題が示される。