$p_1, p_2, \dotsc$を, 素数を小さい順に並べたものとする.
$$\sum_{i \ge 1} \frac{1}{p_i} = \infty \text{.}$$
$\sum_{i \ge 1} 1 / p_i < \infty$であるとする. すると, ある正整数$k$が存在して$\sum_{i \ge k} 1 / p_i < 1 / 2$となる. $p_1, p_2, \dotsc, p_{k - 1}$を小さい素数, $p_k, p_{k + 1}, \dotsc$を大きい素数と呼ぶことにする.
$N$を任意の正整数とする. このとき
$$
\sum_{i \ge k} \frac{N}{p_i} < \frac{N}{p_i}
$$
が成り立つ. $N_b$を$N$以下の正整数のうち少なくとも1つの大きい素数を素因数にもつものの個数, $N_s$を$N$以下の正整数のうち小さい素数しか素因数に持たないものの個数とする. $N$を適当にとれば
$$
N_b + N_s < N \tag{1}
$$
となることを示す.
素数$p$に対し$\lfloor{N / p}\rfloor$は$N$以下の$p$の正の倍数の個数だから
$$
N_b \le \sum_{i \ge k} \left\lfloor \frac{N}{p_i} \right\rfloor < \frac{N}{2} \tag{2}
$$
が成り立つ.
$n$を$N$以下の正整数とし, $n = a b^2$と正整数の積で表す. ただし, $a$が平方因子を持たないようにする. すると, $n$が$N$以下の正整数を動くとき$a$は$2^k$通り, $b$は高々$\sqrt{N}$通りの値をとるから
$$
N_s \le 2^k \sqrt{N}
$$
が成り立つ. 不等式 (2) は任意の$N$に対して成り立つから, $N = 2^{2 k + 2}$とすれば$2^{k - 1} \le \sqrt{N}$となって$N_s \le N / 2$となり, 不等式 (1) を満たす. しかし, これは$N_b, N_s$の定義により矛盾である.