2

確率と面積の関係

2924
0

確率と面積には双方向に密接な関わりがあり、高校数学範囲であってもそのことを理解することができる。

確率→面積

まずは確率を用いて面積を求める方法の例を挙げてみる。モンテカルロ法は広義には乱数を使ってシミュレーションを行う手法全体のことを指すが、ここでは求積に用いるモンテカルロ法について扱う。
モンテカルロ法 モンテカルロ法
この図のように、円に外接する正方形を用意する。
この正方形内に無作為に点を打ち、打った点の総数と円内に入った点の数を比較して、以下のように求める。

()=()×()()

つまり、打った点が円内に入る確率が正方形と円の面積の比になるというわけだ。

モンテカルロ法による円の求積について

モンテカルロ法を使うからには円周率の値を未知とすることがほとんどだが、必ずしも外接する正方形を用意する必要はなく、円を包含する、面積が既知な図形を用意できればよい。

面積→確率

まずこの例を考えてみよう。

面積→確率の1

(問) 領域D:yx+1,x0,y0内に点を無作為に打つとき、領域E:x12,y12内に点がある確率を求めよ。

モンテカルロ法の考え方を逆に使うと、この例は次の考え方によって解ける。

()=(E)()=(DE)(D)

このことを用いると、領域DEの面積は14,領域Dの面積は12であるので求める確率は12であることがわかる。
 これは、事象の数が数えられない場合に確率を求めたいときに使える。

面積→確率の2

(問) 実数x,yx2+y21を満たすとする。この条件を満たす組(x,y)を無作為に選んだとき、(x,y)|x|+|y|1を満たす確率を求めよ。

これも例1を理解できれば難しくはなく、それぞれの領域の面積を考えてやればいい。領域D,ED={(x,y)|x2+y21},E={(x,y)||x|+|y|1}とすると、EDであり、それぞれの面積はπ,2なので求める確率は2πであると求まる。

投稿日:2020116
OptHub AI Competition

この記事を高評価した人

高評価したユーザはいません

この記事に送られたバッジ

バッジはありません。
バッチを贈って投稿者を応援しよう

バッチを贈ると投稿者に現金やAmazonのギフトカードが還元されます。

投稿者

数学の研究(主にランダムウォークと行動経済学について)をしている高校生です。高校数学からでも数学の楽しさを伝えたいと思っています。

コメント

他の人のコメント

コメントはありません。
読み込み中...
読み込み中
  1. 確率→面積
  2. 面積→確率