今回は2通りの方法でライプニッツ級数を扱いたいと思います。1つ目は高校数学範囲内で、2つ目はアーベルの連続性定理を使用して証明します。この級数は僕の好きな級数のうちの一つで、twitterのヘッダーにもしています。なお、今回の手法はtwitterで助言をいただきながら完成させたもので、当然ながら既出です。それでもよければ是非読んでいってください。
ライプニッツ級数は以下の形で与えられる級数です。
$$
\sum_{n=0}^{\infty}\frac{(-1)^n}{2n+1}
$$
第$n$項は、
$$
\frac{(-1)^n}{2n+1}=\int_0^1(-x^2)^ndx
$$
であるので、第$N$項までの部分和は、
\begin{eqnarray*}
\sum_{n=0}^N\frac{(-1)^n}{2n+1}&=&\sum_{n=0}^{N}\int_0^1(-x^2)^ndx \\
&=&\int_0^1\sum_{n=0}^{N}(-x^2)^ndx \\
&=&\int_0^1\frac{1-(-x^2)^{N+1}}{1+x^2}dx \\
&=&\int_0^1\frac{1}{1+x^2}dx-\int_0^1\frac{(-x^2)^{N+1}}{1+x^2}dx
\end{eqnarray*}
であり、第2項について、
\begin{eqnarray*}
\left|\int_0^1\frac{(-x^2)^{N+1}}{1+x^2}dx\right|&<&\int_0^1x^{2N+1}dx \\
&=&\frac{1}{2N+2}
\end{eqnarray*}
であり、$N\to\infty$としたとき0に収束するので、
$$
\sum_{n=0}^{\infty}\frac{(-1)^n}{2n+1}=\int_0^1\frac{1}{1+x^2}dx=\frac{\pi}{4}
$$
が得られます。
$\arctan x$のマクローリン展開を使用します。
$$
\arctan x =\sum_{n=0}^{\infty}\frac{(-1)^n}{2n+1}x^{2n+1}
$$
であり、ここに$x=1$を代入するとライプニッツ級数となります。ですが、この級数は基本的には$|x|<1$の範囲でしか収束しません。そこで、$x$を実軸上負の方向から1に近づけると、アーベルの連続性定理からその極限は$\arctan 1$に収束するので、
$$
\sum_{n=0}^{\infty}\frac{(-1)^n}{2n+1}=\frac{\pi}{4}
$$
が示せました。
証明2は、やや大道具を使っての証明でした。ある人の言葉を借りれば「ハエを波動砲で倒す」ようなものなのでしょうが、この方法、私は嫌いじゃないです。他の証明法も探してみたいですね。