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[試験対策]ガンマ分布と友達になる

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ガンマ分布とは

ガンマ分布Γ(α,β)はつぎのような密度関数からなる確率分布です.

ガンマ分布Γ(α,β)の密度関数

α,β>0とする.
f(x;α,β)={βαΓ(α)xα1eβx(x>0)0(x0)

なにやら複雑に見えますが,本質的な部分はxα1eβxの部分だけです.他は積分して1になるための規格化定数の意味しかありません.

特にα=1とすると
f(x;1,β)=βeβx(x>0)
となり,平均1/βの指数分布となります.この性質を規格化定数の暗記に使うのもありだと思います.必要な方はどうぞ.

この分布には面白い性質がいろいろあるので紹介していきます!

再生性と指数分布との関係

この分布は再生性という面白い特徴を持ちます!

再生性

X1Γ(α1,β), X2Γ(α2,β)が独立な時,
X1+X2Γ(α1+α2,β)

βは共通であることに注意してください.

ここでα1=α2=1の時を考えると,X1,X2はともに平均1/βの指数分布に従い,かつ定理1からX1+X2Γ(2,β)に従います.

帰納的に考えると,次のことが成り立ちます!

X1,Xnが独立に平均1/βの指数分布に従う時,
i=1nXiΓ(n,β)

つまりΓ(α,β)平均1/βの指数分布がα個集まったものだとイメージすればいいと思います(αは整数とは限りませんが..).わかりやすい!

さらに次の性質も有用です.

XΓ(α,β)のときk>0に対し
kXΓ(α,βk)

自由度nχ2分布はΓ(n2,12)となるのでこの性質から,αが半整数(1/2の倍数)のときは変数変換によりχ2分布となることがわかります(χ2分布表が使えます).

平均と分散とk次キュムラント

平均と分散を覚えるのは難しくないです.
まず指数分布の平均と分散はそれぞれ
μ=1β,σ2=1β2
でした.指数分布の平均は単位が秒(など)で,標準偏差も秒で表せることを考えると,分散(=標準偏差の2乗)は覚えやすいと思います.単位を合わせるには平均を2乗するしかないです.

そして定理1の系と,独立な分布に従う確率変数の和の平均・分散が,それぞれの平均・分散の和になることを用いると,Γ(α,β)の平均・分散は

μ=αβ,σ2=αβ2

となることはイメージしやすいと思います.

ついでに,k次キュムラントκkは,κ1=μ, κ2=σ2であることを思い出すと

κk=α(k1)!βk

とすぐ覚えられると思います.おまけ感覚でどうぞ.

その他の性質

指数分布の積率母関数がM(t)=ββt
だったことを思い出すと
積率母関数は

M(t)=(ββt)α

です.
分布関数はαが整数の時

F(x)=1eβxk=0α1(βx)kk!

となります.ポアソン分布のにおいがする..

投稿日:20201115
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xtt
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