次の積分の値を求めていきます:
$$ I=\int_0^\frac{\pi}{2}\frac{x}{\sin x}dx$$
$\displaystyle t=\tan\frac{x}{2}$とすると, $\displaystyle dx=\frac{2\,dt}{1+t^2},\ \sin x=\frac{2t}{1+t^2}$となるので,
\begin{align*}
I&=\int_0^1(2\tan^{-1}t)\cdot\frac{1+t^2}{2t}\cdot\frac{2}{1+t^2}\,dt\\
&=2\int_0^1\frac{\tan^{-1}t}{t}\,dt
\end{align*}
となります.
次に, $\tan^{-1}x$のマクローリン展開より,
\begin{align*}
=2\int_0^1\frac{1}{t}\sum_{n=0}^\infty\frac{(-1)^n}{2n+1}t^{2n+1}\,dt.
\end{align*}
もし, $\int$と$\sum$を交換しても等しいなら,
\begin{align*}
=2\sum_{n=0}^\infty\frac{(-1)^n}{2n+1}\int_0^1t^{2n}\,dt.
\end{align*}
しかし, 任意の$0< t<1,\ n\geq 0$に対して常に$t^{2n}>0$であることは明らかなので, トネリの定理より, 交換前後の式は等しいです.
以上より,
\begin{align*}
&=2\sum_{n=0}^\infty\frac{(-1)^n}{2n+1}\left[\frac{t^{2n+1}}{2n+1}\right]_0^1\\
&=2\sum_{n=0}^\infty\frac{(-1)^n}{(2n+1)^2}\\
&=\boldsymbol{2G}.
\end{align*}
ただし, $G$はカタラン定数.
この記事は, 大規模手直しを経て9割内容がすり替わっています.
すり替わる前は, 最後にはいろんな有名定数が出てきて感動的だね, みたいな内容でした. しかし実は最初の最初, $\sin x$を$\sinh x$に置換する時点で詰んでいて, 直後にはトンデモ級数が出てくるという始末.
書き直したはいいものの, そもそも単純な問題だったらしく, 記事としての味もかなり落ちました. $t=\tan(x/2)$が思いつけばあとは簡単みたいな, 高校数学レベル感あるとはいえ広義積分ではあるので消さないでおこうかなという感じで見逃してやっています.