本記事では、以下の問題の解説を行う。あとがきを含めても短めの記事なので、気軽に読んでいただきたい。
以下の解説を読む前に、まずは自身で考えてみてほしい。
$m,n>0$ とすると、「 $m$ 回目の測定値が $n$ kgとなる確率」は $n$ のみに依存し、 $m$ によらない。
したがって、3回目の測定値を $c$ kgとし、 $k$ 回目の測定値 $(k=1,2,3)$ が $v_k$ kgであることをを $(v_1,v_2,v_3)$ のように表記すると、以下の6パターン
$$ (a,b,c),(a,c,b),(b,a,c),(b,c,a),(c,a,b),(c,b,a)$$が起こる確率はすべて等しい。即ち $x\geq y\geq z>0$ として、求める確率は $a,b,c$ に $x,y,z$ を重複なく当てはめたときに $c=y$ となる確率であり、これは明らかに $\displaystyle{\frac{1}{3}}$ である。
長々と正規分布に関する説明を行ったが用いたのは解説1行目の性質のみ、という点で、多くの方が拍子抜けしたのではなかろうか。もしかしたら $f(x)$ に $x=a$ や $x=b$ を代入して積分に持ち込んだ猛者もいるかもしれない。しかしながら、原理さえ分かれば本問は中学数学で解けてしまうのだ。
ところで、解説では省略したが、例えば $x=y$ のときは $c=x$ でも条件を満たす。とはいえ、 $x,y,z$ が任意の正の値をとるとき $x=y$ となる確率は $0$ であるから、このケースを考慮する必要はない。