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メモ:集合位相の問題

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自分用のメモです.

C[0,1]を区間[0,1]上で定義された実連続関数の集合とする.C[0,1]に距離関数:d(f,g)=maxx[0,1]|f(x)g(x)|から定まる距離位相を入れるとき,C[0,1]はコンパクトであるか.






解答
コンパクトでない.背理法で示す.
仮定により任意のopen coverがC[0,1]を覆う.以下の形のopen coverを考える.

fC[0,1]B1/2(f)C[0,1]
仮定によりこれからfinite open subcoverがとれる.つまり
f1,,fkが存在して,

i=1kB1/2(fi)C[0,1]
ここで,以下のようにして連続関数gC[0,1]を構成する.

fi(ik)0なら(ik,1),
fi(ik)<0なら(ik,1)

これらk個の点と原点の計k+1個の点を直線で結んだ関数をgとする.

このようにすると,gはどのB1/2(fi)にも入らない.したがって矛盾.

X:コンパクトかつハウスドルフな位相空間.
f:XX,連続関数とする.このとき,X上のコンパクト集合Mが存在して,f(M)=Mであることを示せ.






解答

Xはコンパクトかつハウスドルフだから,閉集合とコンパクト集合が一致する.
X0:=X,Xn+1=f(Xn)とすると,

Xn+1Xn.

M:=n=1Xn
を考えると,これは閉集合で,コンパクト集合.

f(M)=f(n=1Xn)=n=1f(Xn)=n=1Xn+1

よってf(M)=M.

(Xn,dn)nNを距離空間の列とし,X=nNXn上の距離関数d
d((xn)n,(yn)n)=maxnNmin(dn(xn,yn),1n)
とする.dから定まる距離位相Odと積位相Oが等しいことを示せ.






解答

UOd,xUをとる.mN,xB1m(x)Uである.

B1m(x)={(yn)n|di(xi,yi)<1m,1im}
は明らかにOの元なので,OdO.
次にUO,xUに対し,あるmが存在して,

{(yn)n|di(xi,yi)<1m,1im}U

r<1mとすれば,
Br(x){(yn)n|di(xi,yi)<1m,1im}
とできるので,OOdも示された.

Xをコンパクトハウスドルフ集合とし,C(X):={f:XR,f}とする.写像T:C(X)R
T(f+g)=T(f)+T(g),T(fg)=T(f)T(g),T(λf)=λT(f),T(1)=1,(f,gC(X),λR)

(a)任意のxX1に対してg(x)0ならばT(g)0であることを示せ.
(b)あるxTXがあって,任意のfC(X)についてT(f)=f(xT)となることを示せ.






解答

(a)g,1gについて積の準同型よりわかる.

(b)
Xf={xX|T(f)=f(x)}
と定義する.まず,Xfは(a)の対偶より分かる.
また,Xfは閉集合であることは,
f1(T(f))=Xf
という表示からわかる.

fC(X)Xf
であることを示せばよいが,

Xがコンパクトであることから,
i=1kXfi
であることを示せばよい.(有限交叉性)

g(x)=i=1k(fi(x)T(fi))2
とすると,
x0X,
T(g)=g(x0)i,fi(x0)=T(fi)
であることが計算によりわかる.

したがって,
i=1kXfi=Xg
である.
任意のfに対してXfは空でないから,

i=1kXfi=Xg.

したがって,x0=xTとしてとれる.

なお,ハウスドルフ性より,ウリゾーンの補題からxTの一意性もわかる.

X,Yをコンパクトハウスドルフ集合とし,C(X):={f:XR,f}とする.(C(Y)も同様.)写像T:C(X)C(Y)
T(f+g)=T(f)+T(g),T(fg)=T(f)T(g),T(λf)=λT(f),T(1)=1,(f,gC(X),λR)
なるものを考える.

このとき,連続写像ϕ:YXであって,
T(f)(y)=f(ϕ(y))(fC(X),yY)

となるものを存在することを示せ.また,Tが全単射ならばϕは同相であることを示せ.






解答
問題4より,
Ty(f)=T(f)(y)

とすると,TyC(X)R.これは問題4の条件を満たすので,
T(f)(y)=f(xT)なるxTXが(一意に)存在する.このとき,

ϕ:yxT

と定めると,これは連続写像になる.

UXの閉集合とすると,

任意のfに対して
ϕ1(U)T(f)1(f(U))
なので,
ϕ1(U)fC(X)T(f)1(f(U))
である.

これの逆の包含を示そう.

yfC(X)T(f)1(f(U))
を任意にとる.
ϕ(y)U
を背理法で示す.

ϕ(y)U

を仮定すると{y},Uはともに閉集合なのでウリゾーンの補題より
f:ϕ(y)0,Ux1
なる連続写像fが存在.ところで,このfに対して
yT(f)1(f(U))
すなわち,
T(f)(y)f(U)
であるが,T(f)=fϕなので,
f(ϕ(y))f(U)
これはfの作り方に矛盾.よって,

ϕ(y)U

したがって

ϕ1(U)fC(X)T(f)1(f(U))

が分かる.

したがって

ϕ1(U)=fC(X)T(f)1(f(U))
である.この右辺のfは閉写像であるのでf(U)が閉集合なので右辺は閉集合で,左辺も閉集合.よってphiは連続写像である.

投稿日:2024715
更新日:2024728
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itou
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