ここでは科学大数学系の修士課程の院試の2025午後07の解答例を解説していきます。解答例はあくまでも例なので、最短・最易の解答とは限らないことにご注意ください。またこの解答を信じきってしまったことで起こった不利益に関しては一切の責任を負いませんので、参照する際は慎重に慎重を重ねて議論を追ってからご参照ください。また誤り・不適切な記述・非自明な箇所などがあればコメントで指摘していただけると幸いです
2025午後07
- 上のルベーグ可測関数がを満たすとき、極限
を計算しなさい。 - を以上の実数とする。上のルベーグ可測関数について等式
を示しなさい。 - を以上の実数とする。上のルベーグ可測関数について以下の条件が同値であることを示しなさい。
- まず
で定める。そして
とおく。このときであり、はルベーグ可積分関数であるから、ルベーグの優収束定理から
がわかる。 - ルベーグ積分の定義と置換積分により
であり、これが所望の結果である。 - まず
である。ここで関数は広義単調減少なので不等式
である。ここから
である。あとはが正値関数であることを考慮すれば、左側の不等式を用いて(i)から(ii)を、右側の不等式から逆を示せる。