ここではJacobiの三重積にHeineの和公式を用いた証明を与える.
z≠0に対して,(zq,q/z,q;q)∞=∑n∈Z(−1)nqn2/2znが成り立つ.
Heineの和公式 2ϕ1[a,bc;cab]q=(c/a,c/b;q)∞(c,c/ab;q)∞において,c=bzqとしてb→0,a→∞とすることで∑0≤n(−1)nqn2/2(q;q)nzn=(zq;q)∞またc=zqとしてa,b→∞とすれば∑0≤nqn2zn(q,zq;q)n=1(zq;q)∞を得ます.一つ目の極限をとった式においてz↦zとしたものと元の式を掛け合わせることで(zq,q/z;q)∞=∑0≤m,n(−1)m+nqm2+n22(q;q)m(q;q)nzm−n=∑0≤n(−1)nqn2/2(q;q)nzn∑0≤kqk2(q,qn+1;q)kqnk+∑1≤n(−1)nqn2/2(q;q)nz−n∑0≤kqk2(q,qn+1;q)kqnk=∑0≤n1(q;q)n(qn+1;q)n(−1)nqn2/2zn+∑0≤n1(q;q)n(qn+1;q)n(−1)nqn2/2z−n=1(q,q)∞∑0≤n(−1)nqn2/2znとなることからわかる.(途中で二つ目の極限をとった式を用いた)
これを少し書き換えると,次のような表示が得られる.
f(a,b)=(−a,−b,ab;ab)∞=∑n∈Zan(n−1)/2bn(n+1)/2
このfはRamanujanのテータと呼ばれるもので,似たような記号として
φ(q)=f(q,q)=∑n∈Zqn2=(−q;q2)∞2(q2;q2)∞,ψ(q)=f(q,q3)=∑n∈Zqn(n+1)/2=(q2;q2)∞(−q;q)∞,χ(q)=f(−q2;−q2)(q;q)∞=(−q;q2)∞,ϕ(q)=f(−q,−q2)=∑n∈Z(−1)nqn(3n−1)/2=(q;q)∞のようなものがある.最後のものは Euler関数 と呼ばれているものである.
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