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Edwardsによるヘロンの公式の複素数を使った証明

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ヘロンの公式

ヘロンの公式

ABCの3辺の長さをa,b,c, 面積をSとするとき,
S=s(sa)(sb)(sc). ただし, s=a+b+c2.

証明は余弦定理を用いたものがよく知られている. この記事では, Edwardsによる複素数の性質を使った見事な証明を紹介する.

Edwardsによる複素数を使った証明

以下の証明は, Edwardsの論文([1])をベースにして, 少し読みやすく書き直したものである. 以下, iは虚数単位とする.

ABCの3辺の長さをAB=c,BC=a,CA=b, 内接円の半径をrとするとS=12r(a+b+c)=rs.
ここで, 図のように角度α,β,γ, 長さx,y,z,u,v,wを設定する. このとき, α+β+γ=π.
また,  x+y+z=s, x+y=c, y+z=a, z+x=bより, x=sa, y=sb, z=sc.
さらに, (r+ix)(r+iy)(r+iz)=ueiαveiβweiγ=uvwei(α+β+γ)=uvweiπ=uvw.
この式の虚部を比較して, r2(x+y+z)xyz=0. よって, xyz=r2(x+y+z)=r2s.
したがって, 1=xyzr2s=sxyz(rs)2=s(sa)(sb)(sc)S2より S=s(sa)(sb)(sc).

(参考文献)
[1] M. D. Edwards, "A proof of Heron’s formula", The American Mathematical Monthly 114.10(2007)

投稿日:19日前
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