ネイピア数
ネイピア数の主な同値な定義として、以下の形が知られている。
また、他にも様々な同値な定義が知られているが、長くなるのでまた今度別で書こうと思う。なお、収束性については最後に書こうと思う。
それでは、これらの定義が同値であることを示そう。以下では、
まず、
正の実数
ここで、左辺について
また、右辺について、同様に極限をとると、
よって、
また、
次に
まず、
また、逆の操作を行えば、
つぎに、
まず、
これは指数関数であるので、
次に、
定義における微分方程式において、
とおく。微分係数の定義に従ってこれを微分すると、
これと定義から、
なので、
であり、
最後に、
まず、
であり、
よって、
次に、
である。ダランベールの収束判定法からこの級数の収束半径は
とおけば、
を満たす。よって
これらの証明から、定義
最後に、極限の収束性の証明をしたいと思う。これまでで、上で上げた定義のすべてが同値であることを示したので、
とおき、この数列が単調増加かつ上に有界であることを示す。まず、単調増加であることを示す。
両辺
が得られる。
次に、上に有界であることを示す。二項係数を
と定め、二項定理を用いて
よって、
これらの議論から、数列
また、式変形の途中で不等式
が成り立つことを用いた。
前回の双曲線関数の記事より長くなった気がする。でも、個人的に満足な内容が書けたからこれでいいかなと思ってたりする。何かご意見ご要望ありましたら教えてください。次回はテイラー展開の基本について書ければいいかな。