ペル方程式を解く手続き。は以上の平方でない整数とし、
の解を考えてみる。
とおく(整数部分)。3つ組:
を取る。次の操作を繰り返す。
ここに、まずはどう求めるかというと、で得られる以上未満の整数を取ってこれをから引いたものをとする。
としてが決まる。これを繰り返していくとき、もし、
に到達するなら、
が最小の整数解を持つことになる。この場合の最小の整数解をであらわすとき、
みたいになっての最小整数解はになる。
に到達することなく
に戻ってくる場合には、そのまま計算するとの解が出る。
その計算方法について述べる。まず、
においてをで割る。この値を、
の隣接部分すべてに対して計算し、これを
とおいて行列の積:
を計算する。こうして得られるについて、
を計算するときが最小解になる。に到達するならの解が出るし、が出ないままに戻るならそのままの解が出る。
解く。
ここで、実はを満たす形式はアンビグという名前が付いているんだけど、ここから先は折り返しになる。ここのを中心としてこの先はここまで作ったものの逆配列が現れる。そしてまで戻った後でが出てきて終了する。これでを求めてみる。
以下同様に、
ではアンビグ隣接:だからその先は
になる。は戻るとき。これより行列は、
となるが、最後にできる行列の左半分が欲しいので、最後の行列は要らなくて、
を計算して右半分を取ればいい。計算により、
がわかるので、
となる。これらに対してを計算すると、
になるから、結局の整数解は存在せず、の最小解として、
を得る。実際、
が確かめられる。
もうひとつやってみたい。
でやってみる。
ここでそのまま進んでもいいんだけど、実は、
が現れるとそのあとはそのまま両端の符号が逆転したものが展開される。そしてまで戻った後、最後にとなり、そこから先は両端の符号が逆なだけで同じ流れになる。先程の議論で2つだったところがひとつになるイメージ。その区切りまでを計算すると、
となりそこからはみたいになる。行列も、やっぱり最後のやつは計算しなくてよくて、
を出せばいい。
の最小の整数解は、このとから出すのだが、めちゃんこ大きくなる。
だからこの数になる。すごい大きい・・。
まとめ
結局、最初の形式まで戻る必要はなくて、
となるか、
が現れるところまで計算すればいい。そして前者の場合はそこまでのに対する行列と中央のひとつとの転置を順番に掛けて右半分を見てをかませていじる、後者の場合は普通にそこまでのに対するに対しその転置を掛けてやはり右半分を見てをかませていじればいい。そうするとの方の解が出るのでが欲しい場合は最後みたいにする。以上。
ちなみにが現れる場合、すべてのはを満たしているので、
が成立する。実は平方数和分解できるすべてのはこの方法で平方数和分解することができる。