4

ド・モルガンの法則の証明

847
0

こんにちは,みるか( @mirucaaura )です.

本記事では,「ド・モルガンの法則」として知られる以下の命題を証明します.

任意の空でない集合Λに対して定義される集合Xの部分集合AλX(λΛ)からなる集合族{AλλΛ}に対して,次の等式が成り立つ:
(a)(λΛAλ)C=λΛAλC,(b)(λΛAλ)C=λΛAλC.

注意

本記事において,集合Xの部分集合Aに対して,AXでの補集合をACで表す.

証明

任意のλΛに対して,次の関係が成り立つ:
(1)λΛAλAλλΛAλ.
式(1)に対して,補集合をとることにより,
(2)(λΛAλ)CAλC(λΛAλ)C
が成り立つ.いま,λΛは任意だから,式(2)より次の関係も成り立つ:
(3)(λΛAλ)CλΛAλCλΛAλC(λΛAλ)C.
一方,Bλ=AλCとして,式(3)を考えると,
(4)(λΛBλ)CλΛBλC=λΛAλλΛBλC=λΛAλ(λΛBλ)C
となる(文字が重複して分かりにくいが,式(3)におけるAλBλ(=AλC)を代入した式が式(4)である).式(4)において,補集合を考えると,
(5)λΛAλC(λΛAλ)C(λΛAλ)CλΛAλC
が成り立つ(Bλ=AλCであることを用いた).

以上,式(3),(5)より,
(λΛAλ)CλΛAλCandλΛAλC(λΛAλ)C,λΛAλC(λΛAλ)Cand(λΛAλ)CλΛAλC
が成り立つので,所望の等式(a),(b)が示された.

余談

証明の中の以下の式:
(λΛAλ)CλΛAλCλΛAλC(λΛAλ)C
に納得できない方のために...集合ΛとしてΛ={1,2,3}くらいを考えて,実際にお絵描きをしてみると納得できるかもしれません.

投稿日:20201117
OptHub AI Competition

この記事を高評価した人

高評価したユーザはいません

この記事に送られたバッジ

バッジはありません。
バッチを贈って投稿者を応援しよう

バッチを贈ると投稿者に現金やAmazonのギフトカードが還元されます。

投稿者

みるか
みるか
18
5850

コメント

他の人のコメント

コメントはありません。
読み込み中...
読み込み中