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オーダーによる同値関係

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極限操作でも同値関係が取れるんだなと気付きましたので記事にしてみました.

多項式全体の集合Aの要素f,gに対し関係
fg deflimxf(x)g(x)R{0}
と定めたとき,A上で同値関係となる.

  1. 反射律
    limxf(x)f(x)=limx1=1R{0}よりff.

  2. 対称律
    limxf(x)g(x)=aR{0}ならlimxg(x)f(x)=limx1f(x)g(x)=1aR{0}
    よってfgならばgf.

  3. 推移律
    limxf(x)g(x)=aR{0}かつlimxg(x)h(x)=bR{0}なら
    limxf(x)h(x)=limxf(x)g(x)g(x)h(x)=abR{0}
    よってfgかつghならばfh.

以上より関係A上で同値関係となる.

要はこれ,関係を満たすことがお互いの多項式の次数が同じであることを表しています.

同値類を見てみましょう.nZ0とします.deg(f)fの次数を表します.

[xn]={fA |deg(f)=n}

[xn]={fA |xnf}よりxnfdeg(f)=nを示せばよい.

()
Nにおいてf(x)=k=0akxk (a0)とおくと
limxxnf(x)=1k=0akxkn={0(>n)1an(=n)(<n)
=nに限りxnfとなるため示された.

()
deg(f)=nf(x)=k=0nakxk (an0)とおけてlimxxnf(x)=1anR{0}
より示された.

以上よりxnfdeg(f)=nがいえたため[xn]={fA |deg(f)=n}

このことから,オーダーが等しい多項式の次数はnによってグループ分けが可能になります.
自明ともとれる主張ですがこんな性質を見つけられるのは面白いですね.

投稿日:20201118
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Wani
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