この記事では,
この記事の目標は, 次の定理の証明である.
符号関数
で定義したとき,
特に,
後半のみを, Eulerの定理と呼ぶこともある. この定理は一般に複素積分やFourier変換を用いて証明するが, ここではそのいずれも使わない上に, 前提知識も簡単な解析学で十分である.
関数
で定めると,
但し, 二つ目の等式では
故に,
が成り立つ. そこで両辺
と書ける. ここから
ところで,
であるから,
故に
これらのことから
を得る. 左辺の積分において,
となり, これをまとめれば
が得られる. また,
参考:オイラー博士の素敵な数式, ポール・J・ナーイン,小山信也訳, 日本評論社