長い数式が出てきます。スマホで閲覧の場合は横向きにすることを推奨します。
次の問題を考えます。なお,この記事における「さいころ」とは,
例えば適当にさいころを繰り返し投げてみました。(正確にはPythonで,
運が良い人は
この期待値の導出を,幾何分布に頼らずに
まずは
赤字の部分については,次の通りです。
つまり,1.から6.までで出した期待値の和を取ればよいですね。
まず,初めて
次に,「
と書き表せます。つまり,次の部分和
これは,目を凝らせば“等差×等比”の形ですので,なんだかんだで
と計算できます。従って
同様の計算を,他の場合でも続けていくと,以下のようにまとまります。
というわけでこれらを足せば望みの解答が出せ,
となり,問題の答えは
ちなみにこの解答の類似は, 数学ガール/乱択アルゴリズム (数学ガールシリーズ 4)(Amazon) の第5章にもあります。【幸せの階段】を昇っており,明快かつ軽やかな進行で問題を解いています。(宣伝)
“和の期待値は期待値の和”なんて使いたくないよ!という場合は,次のようにしてゴリゴリ計算しましょう。
さいころを
です。ちなみに代入すれば
です。このとき求める期待値
です。後はこれを直接計算してやればよいですね。以下の計算結果を使います。
これを使えば,
と計算でき,確かに先ほど求めた
クーポンコレクター問題の具体的な状況について考えていきました。
直接計算の節では,場合の数から“真面目に”攻めるという方法を取りましたが,この方法でクーポンコレクター問題を解いている解説記事が(僕の検索力では)見つからなかったため,1つの解法として実用性があるかどうかはともかく,面白いのではないかと感じています。
ここまでご覧いただきありがとうございます。
コメントにおける とが さんから面白い解法をいただきました。そちらの議論も合わせてご覧ください!