この記事では, 次の問題を解説しようと思います. 高校範囲は少し超えます.
たぶん結構長くなりますが, よろしくお願いします.
この問題は, 一人ずつ座っていく, ということですので, 漸化式が立てられそうだと考えてみます.
まずは初めの方の項を求めてみますと,
次に
ではこれをもとに, 漸化式を立てていきましょう.
即ち, このとき, 左側の
(これは, 左側に座る確率と右側に座る確率が独立ではないので変に思えますが, 期待値は独立でなくても加法性が成り立つので大丈夫です.)
従って,
以上より,
と, 漸化式を立てることができました.
この漸化式を解きたいのですが, 少し難しそうですし, 最終的な目標は極限ですので, ここでは母関数を用いて解いてみたいと思います.
ただし, 見慣れた形が良いので,
また, 説明のために下のように書き換えます.
まず,
母関数に
即ち
となります.
次に
です. 両辺を微分して,
即ち
となります.
以上の
即ち
なる微分方程式を得ました.
では, 前節で得た微分方程式
を解いていきましょう.
一般に,
今回は,
ですので,
と, 奇跡的に(?)とても綺麗に解くことができ,
となります.
最後に
を得ました!
最後に極限を求めていきましょう.
この右辺をTaylor展開することで
と求められました! ただし最後にロピタルの定理を使いました.
以上の長い計算から, 隣り合わせにならないように各人が順番に座っていくと, 大体
これは面白いですね. これ, 極限値は明らかに
では, ここまで読んで下さった方, 本当にありがとうございました.