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線形写像と行列の対応

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線形写像と行列の対応

以下はGoogleDriveに眠っていた(たぶん編入の時に作った)ものほぼそのままです。
記念にupしますが利用価値はなさそう(というかウソを書いているかもしれない)

$K$を体とする.$T:K^n\to K^m$が次の二条件を満たすとき線形写像という.

任意の$x,y\in K^n,\alpha\in K$に対し $$T(x+y)=T(x)+T(y)$$$$T(\alpha x)=\alpha T(x)$$ 特に$n=m$の時,線形変換という.

線形写像$S:K^n\to K^m,T:K^n\to K^m$に対し
$$[S+T](x)=S(x)+T(x)$$と定義する.これは線形写像になる.

線形写像の定義の二条件を満たしているかをそれぞれ確認する.
$$[S+T](x+y)=S(x+y)+T(x+y)=S(x)+T(x)+S(y)+T(y)=[S+T](x)+[S+T](y)$$$$[S+T](\alpha x)=S(\alpha x)+T(\alpha x)=\alpha S(x)+\alpha T(x)=\alpha [S+T](x)$$以上で確かめられた.

$S:K^m\to K^l,T:K^n\to K^m$が線形写像なら合成写像$S\circ T$も線形写像である.

$$S\circ T(x+y)=S(T(x+y))=S(T(x)+T(y))=S\circ T(x)+S\cdot T(y)$$$$S\circ T(\alpha x)=S(T(\alpha x))=S(\alpha T(x))=\alpha S\circ T(x)$$

$A$$(n,m)$行列とする.任意の$\mathbf{x}\in K^n$にたいし$A\mathbf{x}$を対応させる写像を$T_A$とおく.すなわち$T_A(x)=Ax.$この時,写像$T_A$は線形写像となる.

任意の$x,y\in K^n,\alpha\in K$に対し $$T_A(x+y)=A(x+y)=Ax+Ay=T(x)+T(y)$$$$T_A(\alpha x)=A(\alpha x)=\alpha AX=\alpha T_A(x)$$

ここで行列の演算を使った.

$T:K^n\to K^m$を線形写像とすると,$Tx=Ax$を満たす$(n,m)$行列$A$がただ一つ存在する.

$T\mathbf{e_i}=\mathbf{a_i}$とする.$$(\mathbf{a_1},\mathbf{a_2},\cdots,\mathbf{a_n})=A$$とおく.この時,任意の$\mathbf{x}\in K^n$にたいし$A\mathbf{x}$を対応させる線型写像$T_A$があって$$\mathbf{a_i}=T_A(\mathbf{e_i})$$ここで任意の$\mathbf{x}\in K^n$にたいし$A\mathbf{x}$をとると
$$T_A\mathbf{x}=T_A\sum_{i=1}^{n}x_i\mathbf{e_i}=A\sum_{i=1}^{n}x_i\mathbf{e_i}=\sum_{i=1}^{n}x_iA\mathbf{e_i}=\sum_{i=1}^{n}x_i\mathbf{a_i}=\sum_{i=1}^{n}x_iT\mathbf{e_i}=T\sum_{i=1}^{n}x_i\mathbf{e_i}=T\mathbf{x}$$よって線形写像$T$にたいして$Tx=Ax$を満たす$(n,m)$行列$A$が存在する.

これが一意的であることを示す.$T_A=T_B$とする.このとき$$\mathbf{a_i}=T_A\mathbf{e_i}=T_B\mathbf{e_i}=\mathbf{b_i}$$であるから示された.

投稿日:20201123
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