ここでは科学大数学系の修士課程の院試の2024午前02の解答例を解説していきます。解答例はあくまでも例なので、最短・最易の解答とは限らないことにご注意ください。またこの解答を信じきってしまったことで起こった不利益に関しては一切の責任を負いませんので、参照する際は慎重に慎重を重ねて議論を追ってからご参照ください。また誤り・不適切な記述・非自明な箇所などがあればコメントで指摘していただけると幸いです。
2024午前02
を正の自然数とし、を実成分行列全体の為す線型空間とする。
- 任意の線型写像は、あるを用いてと書けることを示しなさい。
- 任意のに対してになるような線型写像を全て求めなさい。
- の部分集合
で生成される部分線型空間をとする。を計算しなさい。
- まず成分が、それ以外がの行列をとし、
とおく。ここで行列を、つまり成分がであるような行列とおくと、が満たされている。 - が行列を用いてと表されたとする。このとき任意の行列に対して
を満たす必要がある。これが満たされるのはがスカラー行列のときだけである。よって求める線型写像は
で尽くされている(但しは実数全体を走る)。 - 線型写像をとる。このとき
であり、はこの空間に含まれるからである。一方相異なるに対して、なるを取れば
であり、また
であるから、は対角成分がの行列たち・対角成分の和がの行列たち全てを含むからである。以上からである。