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大学数学基礎解説
文献あり

有限整域は体である

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$$\newcommand{Ker}[0]{\operatorname{Ker}} $$

簡単に自己紹介

こんにちは. Anko7919です. あんこをつかったお菓子(どらやき, 羊羹など)が好きなひとです. 本を読んだりして独学で数学(主に代数学)を勉強しています. なので, 間違いや勘違いなどがあるかもしれませんが, そのときは優しく教えていただければ幸いです.

整域・体

整域と体の定義をまとめておきます.

零因子・整域

$R$を可換環とする.

  1. $a \in R$零因子であるとは, ある$0 \neq b \in R$が存在して$a b = 0$となることである. 零因子でない元を非零因子という.
  2. $R$の零因子が$0$のみのとき, 整域(integral domain)であるという.

可換環$R$の単元(逆元をもつ元)の全体を$\mathrm{U}(R)$とする. $\mathrm{U}(R) = R \setminus \{0\}$のとき, $R$という.

有限整域は体である

今回証明するのは, 次のことです.

有限整域は体である.

$R$は有限整域であるとする. 任意の$0$でない$a \in R$に対し$\varphi_{a} \colon R \to R, x \mapsto a x$は全単射である. 実際, $R$は整域だから簡約法則$a x = a y \iff x = y$が成り立ち, したがって$\varphi_{a}$は単射, よって全射でもあり, ゆえに$a x = \varphi_{a}(x) = 1$となる$x \in R$が存在する. この$x$$a$の逆元である.

参考文献

[1]
松村英之, 復刊 可換環論, 共立出版
投稿日:121

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