級数コンテスト1の問題をMathlogの方にも載せておきます。
PDFは こちら にあります。
開催期間は11月24日21:30〜12月4日23:59です。
解答には 、
定数は円周率 、ネイピア数、オイラーの定数を、
関数はガンマ関数、ゼータ関数、初等関数を用いても良いです。
解答はできるだけ簡単にしてください。例えば、$\d\text{Li}_1\left(\frac{1}{2}\right)$ は$\log{2}$と表記してください。
解答は実数で書いてください。虚数が入ったままの解答は減点されます。
$\zeta{(3)}$等はそのままの形で残してください。
特殊値は
こちら
に載っている範囲では無断で使用して構いません。
例えば、$\d\Gamma\left(\frac12\right)=\sqrt{\pi}$は無断で使用しても構いません。
解答を提出する場合や質問がある場合は、
遭難者
か
神鳥奈紗
、
るめなる
にDMを送ってください。
問題は難易度順には並んでいません。難しい問題の後に簡単な問題があるケースもあります。
$\text{Si}(x)$は三角積分で、$\d\text{Si}(x):=\int_0^x\frac{\sin t}tdt$と定義されます。
$p(b)$は$b$の分割数です。
$\{a\}^n$は$a$を$n$個並べた数列とします。
$H_n$は一般化された調和数です。
問01 次の級数を解いてください。(作問:神鳥奈紗)
$\d\hspace{50pt}\sum_{n=2}^\infty \frac{(-1)^n}{n^2-1}$
問02 次の級数を解いてください。(作問:白茶)
$\d\hspace{50pt}\sum_{n=1}^\infty \frac1{1^2+2^2+\ldots+n^2}$
問03 次の級数を解いてください。(作問:神鳥奈紗)
$\d\hspace{50pt}\sum_{k=0}^\infty \log\left(1+\frac1{e^{2^k}}\right)$
問04 次の級数を解いてください。(作問:じゅんにー)
$\d\hspace{50pt}\sum_{n=1}^\infty \sum_{k=0}^n \frac{(-1)^k}{n+k}\binom{n}{k}$
問05 次の級数を解いてください。(作問:神鳥奈紗)
$\d\hspace{50pt}\sum_{n=1}^\infty \frac{\text{Si}(\pi n)}{\pi^3n^3}$
問06 次の級数を解いてください。(作問:じゅんにー)
$\d\hspace{50pt}\sum_{n=0}^\infty \frac{(3n+5)(n+1)!n!}{(2n+3)!}$
問07 次の級数を解いてください。(作問:白茶)
$\d\hspace{50pt}\sum_{n=1}^\infty \left(n\log\frac{2n+1}{2n-1}-1\right)$
問08 次の級数を解いてください。(作問:白茶)
$\hspace{50pt}\d\sum_{n=0}^\infty\left(1-\frac1e\sum_{k=0}^n\frac1{k!} \right)$
問09 次の級数を解いてください。(作問:るめなる)
$\d\hspace{50pt}\sum_{n=0}^\infty \frac{(-1)^n(2n+1)(4n+3)}{2^{10n}(n+1)^4}\binom{2n}{n}^5$
問10 次の極限を解いてください。(作問:白茶)
$\d\hspace{50pt}\lim_{\delta\rightarrow+0}\left(-\frac1\delta \right)^n\left(\frac1\delta\sum_{k=2}^n (-\delta)^k\zeta(k)-H_\delta \right)$
問11 次の級数を解いてください。(作問:nkswtr)
$\d\hspace{50pt}\sum_{0< n,m}\frac{H_{n+m}}{n^2m^2}$
depthが1かつindexが$n$の倍数かつweightが$nm$となるような多重ゼータ値からなる数列を$S_{n,m}$とします。
この数列の順番は任意に決めて良いです。
ある関数$f(x)$に対し以下の条件を満たす有理数列$\textbf{k}$が存在する場合、$f(x)$は多重ゼータ値の#表示が可能と言います。
また、$f(x)$に対し以下の条件を満たす有理数列kの集合を$f(x)$の#数列と言います。
条件 : ある正整数bが存在し、全ての$2$以上の正整数$a$に対して$\d\sum_{i=1}^{p(b)} (S_{a,b})_ik_i=f(a)$が成立
例として、$f(x)=\zeta(x,x)$とします。すると、$b=2,S_{a,2}=\{\zeta(a)^2,\zeta(2a)\}$とすることで
#表示が可能であることがわかります。
この時の$f(x)$の#数列は$\d\left\{\frac12,-\frac12\right\}$があります。
以上を踏まえ、次の問題を解いてください。 (作問:PCT)
問12
全ての正整数aに対して、
$f(a)=\zeta(\{1\}^a,2)$
と定義すると、$f(a)$は#表示が可能、かつ#数列が1通りに定まる、
かつ#数列の要素の和が0になることを証明してください。