この記事では,圏を可換図式で定義します。というのも,せっかくMathlogでXy-picが実装されたんだから,可換図式を書いてみたいと思ったのが主な理由です。
図式をいっぱい書いたため,表示が不安定かもしれません。
また,スマホで閲覧される場合は,横向きで見ることを強く推奨します。
Category theory takes a bird’s eye view of mathematics.
(圏論は鳥の目で数学を俯瞰する.)
個人的に大好きな言葉です。格好良いなと思います。
まずはベーシック圏論(参考文献1)による定義を紹介します。
圏
からなり,以下の公理を満たすもののことである。
ちょっとだけ準備します。
圏を可換図式で定義するために,ファイバー積を定義しておきます。
写像
を,
また,ファイバー積の第一成分への射影や第二成分の射影をそれぞれ,
Xy-picを用いて記事を書く練習のついでに,可換図式を定義することにします。
以下の写像の図式が可換であるとは,
しばしば図中に記号
さて,上記の定義において,写像
は,ファイバー積への写像
式で表せば,煩雑であることを恐れなければもう二度とこんなに↻は使わない。
写像の可換図式
に対し,積写像
さらに,写像
と書く。
というわけでここまでの準備を元に,圏を可換図式で定義しましょう。
集合
で次の
可換図式による定義において,
二番目の図式は,結合法則が成り立つことを表しています。
三番目の図式は,各
四番目の図式は,単位法則が成り立つことを表しています。
あまり可換図式による定義は見たことがありません。(同値だよね!って言っているものはあると思いますが……)可換図式によって定義することで全体像は把握できるのですが,いかんせん理解するのに時間がかかってしまいます。最初に挙げた圏の定義と見比べながら理解すると容易です。
こういう定義もあるよ!という観賞用と思っていただければ結構かもしれません。
(さすがに可換図式を入力するのは骨ですね。)ここまで閲覧いただきありがとうございます!