こんばんは。たしです。
今日たまたま計算した積分が面白かったので紹介します!
それがこちら↓
双曲線関数 :
専門的な話をすると、
証明方法はいろいろあると思いますが、今回は部分分数分解を用いた導出を紹介します(厳密さは軽視して大雑把に計算します)。大学レベルの知識を説明なしで用いるので、人によっては読みづらいかもしれませんがご了承ください。
証明は割愛しますが、三角関数や双曲線関数の"無限乗積展開" (平たく言うと因数分解)から、対数微分などを用いて導出できます。余談ですが、この式を変形して
また、この式と双曲線関数の半角の公式
次の補題は、公式2の右辺で項別にメリン変換を施す際に用いるものです。
この式も証明には大学レベルの議論が必要なので詳細は割愛します(複素積分で定番の練習問題です)。本来ならば
さて、これを用いて本来の目的であった積分を考えます。
というわけで無事に積分結果を閉じた形で表せました。これで終わりでもいいのですが、実はもう少し簡単にできます。
次の3つの関数等式を使って、さらに式変形を行います。
以上の公式たちを上手くこねくり回すことで次の等式が得られます。
これを上で得られていた結果に当てはめると
よって最初に示したかった公式1が示されました。
ちなみに上で得た公式を少し変形すると、次のようになります。
ここで
さてここで、話を変えて積分の中にある
なんとテイラー展開に出てくる係数と、上の積分で
理由を知らずにこの結果を見るとびっくりするかもしれませんが、実はこれは非整数階微積分(または分数階微積分)の考えを知っていると簡単に理解できます。
実は
以上が非整数階微積分との関係でした。自分は大学で非整数階微積分と解析数論のことを専門にしているので、この分野のことが少しでも気になってくれたら嬉しいです。
それでは最後まで見ていただきありがとうございました! ご指摘やミス等ありましたらコメントか Twitter (@math_lewisia)までお願いします。