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Cauchy–Schwarz 不等式の等号成立条件

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自己紹介?

自身の勉強を兼ねて色々書いてみようと思います.
最初の目標は,$n$次元空間における「ベクトルのなす角を定義する」です.その為の準備として,まずは有名な不等式を示します.初めて記事を作成してみましたが,Texのノウハウがかなり通じてストレスなく書くことができました.見やすくする工夫や色々な操作に慣れてみたいですがそれは時間が解決してくれると信じて,未来の自分に託すこととします.
誤植や証明の不備等,遠慮なく指摘してくれると助かります(上述したMathlogの操作等も!).

(Cauchy–Schwarz 不等式)

自然数$n$を任意にとり固定する.任意の実数たち$a_1,\dots,a_n,b_1,\dots,b_n\in \mathbb{R}$に対して,以下が成立する.

$$ \qquad\qquad\qquad\qquad\qquad(a_1b_1+\dots +a_nb_n)^2 \quad \leq \quad(a_1^2+\dots + a_n^2)(b_1^2+\dots +b_n^2) $$

また,等号成立するための必要十分条件は以下で与えられる.
$$(A) \quad \forall i,\, a_i=0\quad \text{または}\quad (B)\quad \exists i\,\,\text{s.t.}\,\, a_i\neq 0 \,\, \& \,\,\exists k\in \mathbb{R} \,\,\text{s.t.}\,\,\forall j,\,\,b_j=k a_j. $$

最初に,各$1\leq i\leq n$に対して$a_i=0$が成立しているときは特に等号が成り立つ.以下で,ある$i$$a_i\neq 0$ を仮定する.すると写像$f:\mathbb{R}\to \mathbb{R}; x\mapsto \sum_{j=1}^n(a_jx-b_j)^2 $はその定義から,任意の$x\in\mathbb{R}$に対して$f(x)\geq 0$を満たしており,さらに仮定の$a_i\neq 0$から``下に凸な二次関数''となる.従って,$f(x)=0$ を満たすような根$x$は高々一つであることが分かる.$f(x)=\sum_{j=1}^n(a_jx-b_j)^2=(\sum_{j=1}^na_j^2)x^2-(\sum_{j=1}^n2a_jb_j)x+\sum_{j=1}^nb_j^2$に注意すると($f$の)判別式$D\geq 0$ から主張の不等式を得られる.
等号成立条件について.上記の証明の細部を見ることで,下に凸な二次関数$f(x)$を考えられる状況において(B)が得られることを示せばよい.等号が成り立っているとき,判別式$=0$から$f(x)$が唯一つの根を持っていることが分かる.それを$\alpha$と表示すると$ \sum_{j=1}^n(a_j\alpha-b_j)^2=0$となっている.ここで,各$j$に対して$(a_j\alpha-b_j)^2\geq0$に注意すると,先の和がゼロであるために$(a_j\alpha-b_j)^2=0$でなくてはならない.つまり$a_j\alpha-b_j=0$を強いる.このことから(B)が得られたことになる.逆に(A)や(B)を満たすとき,等号が成立することは自明.

投稿日:20231028
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alty
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