Gaussの超幾何定理の積分表示を用いない証明を紹介します. 超幾何定理の証明としては積分表示を使うものを紹介されることが多いですが, 積分表示を使うと, 級数と積分の入れ替えや積分と極限の入れ替えを行う必要があり, 議論を細かく詰めるのが難しくなってしまいます. そこで, 本記事では級数の変形において少し工夫を行うことで, 級数の範囲内で議論を完結させ, 超幾何定理を証明します.
なお, この証明方法はDuverneyを参考にしました.
複素数
複素数
複素数
Stirlingの公式より,
である. ここで,
より, 上の2式で和の順序を交換することができ,
を示すことに帰着できる.
であり,
および,
となる.
したがって, 補題3が示された.
であり, 第1項は
また, 第2項は
である.
ここで,
であることから
であり, また,
がわかる.
したがって, 補題4が示された.
補題2, 補題3, 補題4を使うことで超幾何定理を示すことができます.
補題3を繰り返して用いると,
がわかる.
右辺において
である.
したがって,
が示された.