前の記事 でRogers-Selberg恒等式
を示した. 1つ目の等式の証明の過程において,
を用いたが, これは
と簡潔にまとめることができる. 2つ目の等式の証明の過程において用いた式
は
と表される. 3つ目の等式の証明の過程において用いた式,
は
を得る. 右辺を少し書き換えてこれらをまとめると,
これらはどれも 両側Bailey対 になっている. 両側Bailey対に対しても通常のBailey対の場合と全く同様に以下が成り立つことが示せる.
これを用いれば, Rogers-Selberg恒等式を少しシンプルに示すことできる.
定理1の1つ目の等式
の両側Bailey対に命題2を適用して,
定理1の2つ目の等式
の両側Bailey対に命題2を適用して
定理1の3つ目の等式
の両側Bailey対に命題3を適用して
となって定理が示される.
Baileyの