$X$を位相空間とし,$A$を$X$の部分集合とする。
$A$が$X$内に集積点をもたないとき,$A$は$X$の閉離散部分集合である。
$D$を$\mathbb{C}$の開集合としたとき,$D$の離散部分集合$E$は高々可算である。
$E$が$2$点以上からなる場合を考える。
$z_0 \in E$とする。
このとき,
$$ \inf_{z \in E \setminus \{z_0\}} |z - z_0| > 0$$
である。
(もし$\inf_{z \in E \setminus \{z_0\}} |z - z_0| = 0$ならば,任意の$r > 0$に対してある$z_1 \in E \setminus \{z_0\}$が存在して$|z_1 - z_0| < r$となる。一方,$E$は$D$の離散部分集合なので,$D$のある開集合$U$が存在して$U \cap E = \{z_0\}$となる。$U$が開集合であることから,ある$r > 0$が存在して$\{ z \in \mathbb{C} \mid |z - z_0| < r \} \subset U$となる。この$r$に対して上のような$z_1$を取れば,$z_1 \in U \cap E$となり矛盾する。)
$z \in E$に対して
$$ 2 r_{z} = \inf_{w \in E \setminus \{z\}} |w - z|$$
$$ U_{z} = \{ w \in \mathbb{C} \mid |w - z| < r_{z} \}$$
と置く。
このとき,$z_1 \neq z_2$ $(z_1, z_2 \in E)$ならば$U_{z_1} \cap U_{z_2} = \emptyset$である。
(もし,$z \in U_{z_1} \cap U_{z_2}$ならば,
\begin{align}
|z_1 - z_2|
& \leq |z - z_1| + |z - z_2| \\
& < r_{z_1} + r_{z_2} \\
& = \frac{
\inf_{w \in E \setminus \{z_1\}} |w - z_1| +
\inf_{w \in E \setminus \{z_2\}} |w - z_2|
}{2} \\
& \leq \frac{|z_2 - z_1| + |z_1 - z_2|}{2} \\
& = |z_1 - z_2|
\end{align}
となり矛盾する。)
$\mathbb{Q}^2 = \{ x + iy \in \mathbb{C} \mid x, y \in \mathbb{Q} \}$は$\mathbb{C}$の稠密な部分集合なので,$z \in E$に対して$U_z \cap \mathbb{Q}^2 \neq \emptyset$の元をひとつ選ぶことで,$E$から$\mathbb{Q}^2$への写像が定義される。
各$U_z$は交わらないので,この写像は単射であり,$E$が高々可算であることが示された。
$D$から定まる相対位相により,$E$は離散空間となる。
一方,$\mathbb{C}$は第二可算空間なので,$E$もまた第二可算空間である。
$E$の高々可算な開基はすべての$1$点集合を和集合の形で表すことができるので,そもそも開基自体がすべての$1$点集合を含んでいる。
したがって,$E$は高々可算である。
コンパクト位相空間の閉離散部分集合は有限集合である。