ここでは東大数理の修士課程の院試の2024A05の解答例を解説していきます。解答例はあくまでも例なので、最短・最易の解答とは限らないことにご注意ください。またこの解答を信じきってしまったことで起こった不利益に関しては一切の責任を負いませんので、参照する際は慎重に慎重を重ねて議論を追ってからご参照ください。また誤り・不適切な記述・非自明な箇所などがあればコメントで指摘していただけると幸いです。
まず集合
$$
X=\left\{(x,y)\in\mathbb{Q}^2\middle||x|< y\sqrt{2}\textsf{ または }y=0\right\}
$$
を考える。そして$(x,y)\in X$及び実数$\varepsilon>0$に対して
$$
U_\varepsilon(x,y)=\{(x,y)\}\cup\left\{(s,0)\in\mathbb{Q}^2\middle|\left|s-x+y\sqrt{2}\right|<\varepsilon\textsf{ または }\left|s-xーy\sqrt{2}\right|<\varepsilon\right\}
$$
とする。いま$\{U_\varepsilon(x,y)|(x,y)\in X, \varepsilon>0\}$によって生成される基本近傍系によって、$X$に位相を定める。
以下の議論では$(a,b)$は$x$座標が$a$・$y$座標が$b$の点を指し、$(a;b)$は$a< x< b$なる有理数$x$全体の為す開区間を指す。また$\mathbb{Q}\times\{0\}$を$\mathbb{Q}$と略記する。またこの略記は$(a;b)$や$[a;b]$などのような$\mathbb{Q}$の部分集合にも適用する。