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大学数学基礎解説
文献あり

関数列の一様収束と連続性・有界性

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本稿では,関数列の一様収束と連続性・有界性に関わる以下の3つの命題を証明する:

  1. 連続関数列の一様収束先は連続関数
  2. 有界関数列の一様収束先は有界関数
  3. 一様収束する有界関数列は一様有界

簡単のため,本稿で関数といった場合は実数全体を定義域とする実数値関数を意味するものとする.

連続関数列の一様収束先は連続関数

定義の復習

関数列の一様収束

関数列{fn}nNが関数f一様収束するとは,
任意のε>0に対して,あるNNが存在して,任意のxRおよびnNに対して|fn(x)f(x)|<ε
が成り立つことを言う.論理記号で書くと
ε>0,NN s.t. [xR,nN,|fn(x)f(x)|<ε]
となる.

一様収束各点収束

関数列{fn}nNが関数fに一様収束するならば,{fn}nNfに各点収束することを示せ.

関数の連続性

関数faRにおいて連続であるとは,
任意のε>0に対して,あるδ>0が存在して,任意のx(aδ,a+δ)に対して|f(x)f(a)|<ε
が成り立つことを言う.論理記号で書くと
ε>0,δ>0 s.t. [x(aδ,a+δ),|f(x)f(a)|<ε]
となる.
また,fが任意のaRにおいて連続であるとき,f連続であるという.

証明

連続関数列の一様収束先は連続関数

連続関数列{fn}nNが関数fに一様収束するならば,fは連続である.

任意のaRに対して,関数faにおいて連続であることを示す.
{fn}nNfに一様収束するから,任意のε>0に対して,あるNNが存在して,任意のxRおよびnNに対して
|fn(x)f(x)|<ε3
が成り立ち,特に
(1)|fN(x)f(x)|<ε3
である.さらに,fNは連続であるから,あるδ>0が存在して,任意のx(aδ,a+δ)に対して
(2)|fN(x)fN(a)|<ε3
が成り立つ.以上より,任意のx(aδ,a+δ)に対して
|f(x)f(a)|=|{f(x)fN(x)}+{fN(x)fN(a)}+{fN(a)f(a)}||fN(x)f(x)|+|fN(x)fN(a)|+|fN(a)f(a)|<(1)ε3+|fN(x)fN(a)|+ε3<(2)ε3+ε3+ε3=ε
となる.従って,faにおいて連続である.

各点収束するが一様収束しない連続関数列

連続でない関数に各点収束するが,一様収束しない連続関数列の例を挙げよ.

有界関数列の一様収束先は有界関数

定義の復習

有界関数

関数f有界であるとは,
あるM>0が存在して,任意のxRに対して|f(x)|M
が成り立つことを言う.論理記号で書くと
M>0 s.t. [xR,|f(x)|M]
となる.

有界関数

三角関数sinx,cosxは有界であるが,tanxは有界でない.

証明

有界関数列の一様収束先は有界関数

有界関数列{fn}nNが関数fに一様収束するならば,fは有界関数である.

{fn}nNfに一様収束するから,特にε=1に対して,あるNNが存在して,任意のxRおよびnNに対して
|fn(x)f(x)|<ε=1
すなわち
fn(x)1<f(x)<fn(x)+1
が成り立ち,特に
(3)fN(x)1<f(x)<fN(x)+1
である.さらに,fNは有界であるから,あるM>0が存在して,任意のxRに対し
|fN(x)|M
すなわち
(4)MfN(x)M
が成り立つ.(3)(4)より,任意のxRに対して
M1<f(x)<M+1
すなわち
|f(x)|<M+1
となる.従って,fは有界である.

各点収束するが一様収束しない有界関数列

有界でない関数に各点収束するが,一様収束しない有界関数列の例を挙げよ.

一様収束する有界関数列は一様有界

定義の復習

一様有界な関数列

関数列{fn}nN一様有界であるとは,
あるM>0が存在して,任意のxRおよびnNに対して|fn(x)|M
が成り立つことを言う.論理記号で書くと
M>0 s.t. [xR,nN,|fn(x)|M]
となる.

一様有界でない有界関数列

一様有界でない有界関数列の例を挙げよ.

証明

一様収束する有界関数列は一様有界

有界関数列{fn}nNが関数fに一様収束するならば,{fn}nNは一様有界である.

{fn}nNfに一様収束するから,特にε=1に対して,あるNNが存在して,任意のxRおよびnNに対して
(5)|fn(x)f(x)|<ε=1
が成り立つ.さらに,fnは有界であるから,各nNに対してあるMn>0が存在して,任意のxRに対し
(6)|fn(x)|Mn
が成り立つ.いま,任意のxRおよびnNに対して
|fn(x)|=|{fn(x)f(x)}+{f(x)fN(x)}+fN(x)||fn(x)f(x)|+|fN(x)f(x)|+|fN(x)|<(5)1+1+|fN(x)|(6)2+MN
であり,n=1,2,,N1に対して(6)が成り立つことに注意すると,任意のnNおよびxRに対して
|fn(x)|max{M1,M2,,MN1,2+MN}
となる.従って,{fn}nNは一様有界である.

問題の解答例

問題1

任意のaRに対して,実数列{fn(a)}nNf(a)に収束することを示せばよい.
{fn}nNfに一様収束するから,
任意のε>0に対して,あるNNが存在して,任意のxRおよびnNに対して|fn(x)f(x)|<ε
が成り立つ.よって,任意のε>0に対して上記のNNを選ぶことで,
任意のnNに対して|fn(a)f(a)|<ε
となる.従って,{fn(a)}nNf(a)に収束する.

問題2

関数列{fn}nN
fn(x)={nx+1(x(1n,0))nx+1(x[0,1n))0(x(1n,1n))
で定義する.さらに,関数f
f(x)={1(x=0)0(x0)
で定義する.このとき,{fn}nNは連続関数列,fは連続でない関数であり,{fn}nNfに各点収束する.実際,任意のaRに対して,

  • a=0のとき,任意のnNに対してfn(a)=1=f(a)
  • a0のとき,あるNNが存在して,nNならばa(1n,1n)すなわちfn(a)=0=f(a)

となる.しかし,{fn}nNfに一様収束しない.実際,任意のNNに対して,x=12N,n=Nとすると
|fn(x)f(x)|=|fN(12N)f(12N)|=|N12N+10|=12
となる.

問題3

関数列{fn}nN
fn(x)={n(x(,n])x(x(n,n))n(x[n,))
で定義する.さらに,関数ff(x)=xで定義する.このとき,{fn}nNは有界関数列,fは有界でない関数であり,{fn}nNfに各点収束する.実際,任意のaRに対して,あるNNが存在して,nNならばa(n,n)すなわちfn(a)=a=f(a)となる.しかし,{fn}nNfに一様収束しない.実際,任意のNNに対して,x=N+1,n=Nとすると
|fn(x)f(x)|=|fN(N+1)f(N+1)|=|N(N+1)|=1
となる.

問題4

関数列{fn}nNfn(x)=nsinxで定義する.このとき,{fn}nNは有界関数列であるが,一様有界でない.実際,任意のM>0に対して,x=π2,n=min{mN:m>M}とすると
|fn(x)|=|nsinπ2|=n>M
となる.

参考文献

投稿日:2023819
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  1. 連続関数列の一様収束先は連続関数
  2. 定義の復習
  3. 証明
  4. 有界関数列の一様収束先は有界関数
  5. 定義の復習
  6. 証明
  7. 一様収束する有界関数列は一様有界
  8. 定義の復習
  9. 証明
  10. 問題の解答例
  11. 問題1
  12. 問題2
  13. 問題3
  14. 問題4
  15. 参考文献