本稿では,関数列の一様収束と連続性・有界性に関わる以下の3つの命題を証明する:
- 連続関数列の一様収束先は連続関数
- 有界関数列の一様収束先は有界関数
- 一様収束する有界関数列は一様有界
簡単のため,本稿で関数といった場合は実数全体を定義域とする実数値関数を意味するものとする.
連続関数列の一様収束先は連続関数
定義の復習
関数列の一様収束
関数列が関数に一様収束するとは,
任意のに対して,あるが存在して,任意のおよびに対して
が成り立つことを言う.論理記号で書くと
となる.
一様収束各点収束
関数列が関数に一様収束するならば,はに各点収束することを示せ.
関数の連続性
関数がにおいて連続であるとは,
任意のに対して,あるが存在して,任意のに対して
が成り立つことを言う.論理記号で書くと
となる.
また,が任意のにおいて連続であるとき,は連続であるという.
証明
連続関数列の一様収束先は連続関数
連続関数列が関数に一様収束するならば,は連続である.
任意のに対して,関数がにおいて連続であることを示す.
はに一様収束するから,任意のに対して,あるが存在して,任意のおよびに対して
が成り立ち,特に
である.さらに,は連続であるから,あるが存在して,任意のに対して
が成り立つ.以上より,任意のに対して
となる.従って,はにおいて連続である.
各点収束するが一様収束しない連続関数列
連続でない関数に各点収束するが,一様収束しない連続関数列の例を挙げよ.
有界関数列の一様収束先は有界関数
定義の復習
有界関数
関数が有界であるとは,
あるが存在して,任意のに対して
が成り立つことを言う.論理記号で書くと
となる.
証明
有界関数列の一様収束先は有界関数
有界関数列が関数に一様収束するならば,は有界関数である.
はに一様収束するから,特にに対して,あるが存在して,任意のおよびに対して
すなわち
が成り立ち,特に
である.さらに,は有界であるから,あるが存在して,任意のに対し
すなわち
が成り立つ.とより,任意のに対して
すなわち
となる.従って,は有界である.
各点収束するが一様収束しない有界関数列
有界でない関数に各点収束するが,一様収束しない有界関数列の例を挙げよ.
一様収束する有界関数列は一様有界
定義の復習
一様有界な関数列
関数列が一様有界であるとは,
あるが存在して,任意のおよびに対して
が成り立つことを言う.論理記号で書くと
となる.
証明
一様収束する有界関数列は一様有界
有界関数列が関数に一様収束するならば,は一様有界である.
はに一様収束するから,特にに対して,あるが存在して,任意のおよびに対して
が成り立つ.さらに,は有界であるから,各に対してあるが存在して,任意のに対し
が成り立つ.いま,任意のおよびに対して
であり,に対してが成り立つことに注意すると,任意のおよびに対して
となる.従って,は一様有界である.
問題の解答例
問題1
任意のに対して,実数列がに収束することを示せばよい.
はに一様収束するから,
任意のに対して,あるが存在して,任意のおよびに対して
が成り立つ.よって,任意のに対して上記のを選ぶことで,
任意のに対して
となる.従って,はに収束する.
問題2
関数列を
で定義する.さらに,関数を
で定義する.このとき,は連続関数列,は連続でない関数であり,はに各点収束する.実際,任意のに対して,
- のとき,任意のに対して,
- のとき,あるが存在して,ならばすなわち
となる.しかし,はに一様収束しない.実際,任意のに対して,とすると
となる.
問題3
関数列を
で定義する.さらに,関数をで定義する.このとき,は有界関数列,は有界でない関数であり,はに各点収束する.実際,任意のに対して,あるが存在して,ならばすなわちとなる.しかし,はに一様収束しない.実際,任意のに対して,とすると
となる.
問題4
関数列をで定義する.このとき,は有界関数列であるが,一様有界でない.実際,任意のに対して,とすると
となる.