位相空間と写像の性質の練習問題としてちょうどいいと思いました。位相空間論を勉強した方はやってみてください。
$X,\,Y$を位相空間とし、$\Cl_X,\,\Cl_Y$を$X,\,Y$上の閉包作用素とする。このとき、
1. $\Rightarrow$
$f^{-1}(\Cl_Yf(A))\supset f^{-1}(f(A))\supset A$であり、$f$の連続性から$f^{-1}(\Cl_Yf(A))$が閉集合であることと、$\Cl_XA$が$A$を含む最小の閉集合であることより、
\begin{align}
{}&f^{-1}(\Cl_Yf(A))\supset\Cl_XA\\
\therefore{}&\Cl_Yf(A)\supset f(f^{-1}(\Cl_Yf(A)))\supset f(\Cl_XA)
\end{align}
1. $\Leftarrow$
$B$を$Y$の閉集合とすると、
\begin{equation}
f^{-1}(B)= f^{-1}(\Cl_YB)\supset f^{-1}(\Cl_Yf(f^{-1}(B)))\supset f^{-1}(f(\Cl_X(f^{-1}(B)))\supset\Cl_Xf^{-1}(B)
\end{equation}
より、$f^{-1}(B)$は閉集合となり、$f$は連続である。
2. $\Rightarrow$
$f(\Cl_XA)\supset f(A)$である。これと、$f$が閉写像であることより$f(\Cl_XA)$が閉集合となること、そして$\Cl_Yf(A)$が$f(A)$を含む最小の閉集合であることより、$f(\Cl_XA)\supset \Cl_Yf(A)$
2. $\Leftarrow$
$A$を$X$の閉集合とすると、$f(A)=f(\Cl_XA)\subset\Cl_Yf(A)$より$f(A)$は閉集合で$f$は閉写像。
大田春外『深めよう位相空間: カントール集合から位相次元まで』