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解析概論 練習問題 解答 1章~3章

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一部問題文の表記を変えている部分がありますが内容は同一です。

第1章

a1>b1>0; an=12(an1+bn1), bn=an1bn1のとき limnan=limnbn

an>bn>0と仮定するとan+1=12(an+bn)<12(an+an)=an, bn+1=anbn>bn2=|bn|=bn>0, an+1bn+1=12(anbn)2>0よりan>an+1>bn+1>bn>0から帰納的にa1>>an>>bn>>b1>0。単調収束定理よりanα, bnβとできる。an=12(an1+bn1)よりα=12(α+β)からα=β

a,b>0; a1=12(a+b), b1=a1b, an=12(an1+bn1), bn=anbn1とすればl=limnan=limnbnが存在する。
(1) |a|<bのとき、a=bcosx, π<x<πとおけばl=bsinxx
(2) a>b>0のとき、a=bcoshxとおけばl=bsinhxx

a1=b1であれば明らか。b1>0である。a1>b1のとき、an>bn>0とするとan+1<an, bn+1=an+1bn=anbn+bn22>bn>0より問題1と同様にして示される。

  1. このときa1=b(1+cosx)2=bcos2x2, b1=bcosx2。帰納法によりan=bncosx2n,bn=bk=1ncosx2kを示す。これを仮定すると
    bn+1=bn12(1+cosx2n)=bncosx2n+1=bk=1n+1cosx2k,an+1=bn2(1+cosx2n)=bn2cos2x2n+1=bn+1cosx2n+1
    より示すべきはk=1cosx2k=sinxx
    sinx2nk=1ncosx2k=12sinx2n1k=1n1cosx2k==12nsinx
    より
    k=1ncosx2k=sinxx(2nxsinx2n)1sinxx
    から示される。
  2. (1)と同様に示される。

lim(an+bn)liman+limbn
lim(an+bn)liman+limbn

n>Nのとき、ansupn>Nan, bnsupn>Nbnからan+bnsupn>Nan+supn>Nbn。左辺の上界をとって、supn>N(an+bn)supn>Nan+supn>NbnNとして示される。下極限についてはan,bnについて考えればよい。

f(x)={0(xRQ)1q(x=pq, gcd(p,q)=1, q>0)の連続性を調べよ。

a=pqQのとき、ε=1qとすると、任意のδ>0に対してδ>2NなるNをとりx=a+2Nと定める。このとき|xa|=2N<δだが|f(x)f(a)|=1qεとなるからf(x)xQで不連続。
aRQのとき、ε>0に対してε>1NとなるようなNを1つとり、δ=min1knN|akn|とすると|xa|<δ|f(x)f(a)|=|f(x)|<1N<εよりf(x)xRQで連続。

I[a,b]は稠密とする。f,g:[a,b]R[a,b]上連続でxIf(x)=g(x)ならばf(x)=g(x)

稠密の定義よりx[a,b]Ix=limxn, xnIと表される。仮定よりf(xn)=g(xn)で、f,g[a,b]上連続だから両辺極限を取ってf(x)=g(x)

I[a,b]は稠密とする。f:IRが連続(つまり、xI, ε>0, δ>0, xI: |xx|<δ|f(x)f(x)|<ε)であるとする。このとき、連続関数f^:[a,b]Rで、f^Iへの制限がfと一致する(つまり、xIならばf^(x)=f(x)となる)ようなものが存在する条件を求めよ。

f^が存在するfI上一様連続
であることを示す。

() {xn}IがCauchy列 {f(xn)}がCauchy列を示す。fI上一様連続だから、ε>0に対し、あるδ>0があって|xx|<δ|f(x)f(x)|<ε{xn}がCauchy列だからあるNがあってn,m>Nならば|xnxm|<δなるようにNをとれる。このとき、n,m>Nならば|f(xn)f(xm)|<εとなるから、{f(xn)}もCauchy列。よって、{f(xn)}は収束するから、
f^(x)={f(x)(xI)limf(xn)(x=limxn[a,b]I, xnI)が定まる。limxn=limxnに対してlimf(xn)=limf(xn)を示す。limf(xn)limf(xn)とすると、x2n=xn, x2n+1=xnに対してxnもまたCauchy列だがlimf(xn)は収束せず{f(xn)}がCauchy列であることに反する。よってf^(x)はwell-defined。
f^(x)[a,b]上連続であることを示す。任意のε>0をとり、任意のnNに対して|f^(λn)f(λn)|<εを満たすような{λn}I, λnλをとる。({μn,m}I, limmμn,m=λnなるμn,mをとると、limmf(μn,m)=f^(λn)よりあるMがあってm>Mならば|f^(λn)f(μn,m)|<εとできる。よって、λn=μn,M+1とすればよいから、このようなλnは存在する。)λnλだから、|f^(λn)f(λn)|<εより|limf^(λn)f^(λ)|<εεは任意だから、limf^(λn)=f^(λ)、つまりf^は連続。
() Heine-Cantorの定理より、f^は一様連続。つまり、ε>0,δ>0,x,x[a,b]: |xx|<δ|f^(x)f^(x)|<εだから、xIf(x)=f^(x)よりε>0,δ>0,x,xI: |xx|<δ|f(x)f(x)|<εよりfも一様連続。

f(x)(a,)で連続でlimx(f(x+1)f(x))=lならばlimxf(x)x=l

f(x)lxを考えることによりl=0としてよい。 limx(f(x+1)f(x))=0より、任意のε>0に対しあるLがあってx>Lならば|f(x+1)f(x)|<ε2xを十分大きくとってn=xLとすればLxn<L+1より
|f(x)|=|k=0n1(f(xk)f(xk1))+f(xn)|k=0n1|f(xk)f(xk1)|+|f(xn)|nε2+|f(xn)|xε2+|f(xn)|
[L,L+1]における|f(x)|の最大値をMとすると、x>2Mεのとき
|f(x)x|ε2+Mx<ε
より示される。

f:KG, g:GHが連続関数のとき、gf:KRは連続関数。

aKを任意にとる。gが連続だから任意のε>0に対しあるδ>0があって|yf(a)|<δ|g(y)g(f(a))|<εgfを考えるからy=f(x)とおけるとしてよく、このとき|f(x)f(a)||g(f(x))g(f(a))|<εfが連続だからあるδがあって|xa||f(x)f(a)|<δ。よって|xa|<δ|g(f(x))g(f(a))|<εからgfは連続。

a>0のとき任意のx,yRに対し(ax)y=axy

x,yに収束する{xn},{yn}Qをとると、(axn)yn=axnynより、au, uQの連続性より両辺極限とって示される。

第2章

[a,)f(x)が微分可能でlimxf(x)=f(a)ならばξ>a, f(ξ)=0なるξがある。

φ(t)=1t+a1とするとφ((0,1])=[a,)g=fφ:(0,1]Rg(0)=g(1)としてgの定義域を拡張するとlimt+0g(t)=limxf(t)=f(a)=f(φ(1))=g(1)=g(0)よりg[0,1]で連続。Rolleの定理よりあるξ(0,1)があってg(η)=f(φ(η))φ(η)=0、よってf(φ(η))=0φ(η)>aからξ=φ(η)とすればよい。

a>0, dndxn1(1+x2)a=Pn(x)(1+x2)a+nとすると、Pn(x)n次の多項式で、Pn1(x)のどの根とも異なる相異なるn個の根を持つ。

P1(x)=2axであり、Pn(x)n次の多項式であるとすると
dn+1dxn+11(1+x2)a=ddxPn(x)(1+x2)a+n=(1+x2)Pn(x)+Pn(x)(1+x2)a+n+1
よりPn+1(x)=(1+x2)Pn(x)+Pn(x)からPn+1(x)n+1次の多項式。よって帰納法から示される。
f(x)=Pn(x)(1+x2)a+nとすると、Pn(x)f(x)の根は一致する。f(0)(x)=1(1+x2)a, f(1)(x)=2ax(1+x2)a+1よりf(0)(x)f(1)(x)の根は全て異なる。f(n)(x)λ1<<λnなるn個の根を持つとする。f(n+1)(λi)=Pn(λi)(1+λi2)a+nであり、λiPn(x)の根で、Pn(x)は重解を持たないからPn(λi)0。また、1in1Pn(λi)<0とするとPn(λi+1)>0であり、Pn(λi)>0とするとPn(λi+1)<0であるから中間値の定理よりλi<μi<λi+1なるμiがあってf(n+1)(μi)=0。また、limx±f(n)(x)=0=f(n)(λ1)=f(n)(λn)から問題1よりμ0<λ1, λn<μnなるμ0, μnがあってf(n+1)(μ0)=f(n+1)(μn)=0。よって、f(n+1)は相異なる根μ0<<μnを持ち、それらはいずれもλiとは一致しない。

  1. dndxnex2=(1)nHn(x)ex2
  2. exdndxnxnex=Ln(x)

Hn(x),Ln(x)Pn(x)と同様の性質を持つ。

前問題と同様。

(a,b)においてf(x)n階微分可能で、xa+0のときf(i)(x)li (i=1,,n)とする。f(a)=lとすればi階片側微分をf+(i)(x)と書くことにすればf+(i)(a)=li

f+(1)(a)=l1のみ示せば同様の議論を繰り返すことができ示される。
f(a)=lとすればf(x)[a,b)で連続、(a,b)で微分可能より平均値の定理から
f(x)f(a)xa=f(ξ),a<ξ<x
なるξがとれる。xa+0ξa+0からf+(a)=l1

D上で定義されたf(x,y)fx,fyは連続でfxy(a,b)を除いて連続であるとき、
fxy(a,b)=limybfxy(a,y)=limybfyx(a,y)fyx(a,b)=limxafxy(x,b)=limxafyx(x,b)

h,kR, (u,v)D, (u,v)(a,b)に対しΔ=f(u+h,v+k)f(u+h,v)f(u,v+k)+f(u,v)と定める。φ(x)=f(x,v+k)f(x,v)とすると、Δ=φ(u+h)φ(u)fxの存在よりφ(x)[0,h]で微分可能だから平均値の定理より0<θ<1
Δ=hφ(u+θh)=h(fx(u+θh,v+k)fx(u+θh,v))
fxyの存在より、平均値の定理から、ある0<θ<1があってΔhk=fxy(u+θh,v+θk)。よって h,k0Δhkfxy(u,v)。また、
Δhk=1h(f(u+h,v+k)f(u+h,v)kf(u,v+k)f(u,v)k)
において、fyの存在より平均値の定理からある0<η<1があって
Δhk=fy(u+h,v+ηk)fy(u,v+ηk)h
k0として、左辺はfy(u+h,v)fy(u,v)hであるから、h0とすることで、Δhkfxy(u,v)よりfyxは存在し、fxy(u,v)=fyx(u,v)(u,v)は任意のD{(a,b)}の点だからlimybfxy(a,y)=limybfyx(a,y), limxafxy(x,b)=limxafyx(x,b)が成立する。
また、この極限が存在するとき、g(y)=fx(a,y)とすればこれは定理23の仮定を満たすから題意が示される。

f(x,y)=x2Arctanyxy2Arctanxy(0,0)における2階の偏微分商を求めよ。

fx(x,y)=2xArctanyxyfy(x,y)=2yArctanxy+xfxx(x,y)=2Arctanyx2xyx2+y2fyy(x,y)=2Arctanxy+2xyx2+y2fxy(x,y)=fyx(x,y)=x2y2x2+y2
より
fxx(0,0)=limx0fxx(x,0)=0fyy(0,0)=limy0fyy(0,y)=0
また、fxyにおいて(x,y)=r(cosθ,sinθ)とすると(x,y)(0,0)fxy(x,y)=cos2θとなるから fxy(0,0)で不連続。

f,gR上微分可能とする。このとき、次が成立する。
dndxnf(g(x))=n!i1!in!f(i1++in)(g(x))k=1n(g(k)(x)k!)ik
ただし、k=1nkik=n, ik0を満たす(i1,,in)に渡ってとる。

F(x)=f(g(x))とする。M>N>nとして、Taylorの定理より、xa
(1)F(x)F(a)=n=1NF(n)(a)n!(xa)n+o(|xa|N)=k=1Nf(k)(g(a))k!(g(x)g(a))k+o(|xa|N)=k=1Nf(k)(g(a))k!(m=1Mg(m)(a)m!(xa)m+o(|xa|M))k+o(|xa|N)=k=1Nf(k)(g(a))k!(m=1Mg(m)(a)m!(xa)m)k+o(|xa|M)+o(|xa|N)(2)=k=1Nf(k)(g(a))k!i1++ik=ki1,,ik0k!i1!ik!(xa)1i1++kikj=1k(g(j)(a))ij+o(|xa|N)
より、式(1)と式(2)の(xa)nの係数を比較すると、
F(n)(a)n!=k=1Nf(k)(g(a))k!i1++ik=k1i1++kik=ni1,,ik0k!i1!ik!j=1k(g(j)(a))ij=k=1ni1++ik=k1i1++kik=ni1,,ik01i1!ik!f(k)(g(a))j=1k(g(j)(a))ij=1i1++nin=ni1,,in01i1!ik!f(i1++in)(g(a))j=1k(g(j)(a))ij

[a,b]においてf(x)>0,f(a)>0,f(b)<0ならばa0=a, an+1=anf(an)f(an)f(x)=0[a,b]におけるただ1つの根に収束する。

まず根が1つであることを示す。中間値の定理より根は少なくとも1つ存在する。根が2つ以上あったとし、そのうち2つをc1,c2,f(c1)=f(c2)=0とする。このとき、Rolleの定理よりc1<d<c2,f(d)=0なるdが存在する。d<xf(x)>0、つまりf(x)が単調増加となり、d<bよりf(d)=0<f(b)となり矛盾。よって根はただ1つ。それをξとする。
at<ξならばf(t)<0を示す。f(t)=0とするとf(x)>0に反する。f(t)>0とすると、f(x)>0からx[t,b]で常にf(x)>0a<t<ξよりf(t)>0だからf(b)>0となり矛盾。よってf(t)<0
(an,f(an))におけるy=f(x)の接線のx切片はy=xf(an)anf(an)+f(an)x=an+1=anf(an)f(an)である。いま平均値の定理よりあるa<e<bf(x)f(a)=(xa)f(e)を満たすが、f(x)>0よりf(x)f(a)>(xa)f(a)、よってf(x)>(xan)f(an)+f(an)からf(an+1)>(an+1an)f(an)+f(an)=0=f(ξ)>(ξan)f(an)+f(an)。いまaan<ξならばy=(xan)f(an)+f(an)xについて単調減少だからa<an<an+1<ξ。帰納的にa<a1<<an<<ξだからanは収束し、収束値をλとするとλ=λf(λ)f(λ)よりf(λ)=0、つまりλ=ξ

有理関数f(x)=P(x)Q(x)の異なる極値をa,bとし、(a,b)fは極値を取らず、(a,f(a)),(b,f(b))がともに極大であるとき、あるa<c<bがあって、limxcf(x)=

P,Qは共通因数を持たないとして一般性を失わない。[a,b]で常にQ(x)0とすると(a,b)f(x)は連続だからx=mで最小値f(m)をとる。明らかにma,bだからこれは(a,b)で極値を持たないことに反する。よってあるc[a,b]があってQ(c)=0P(c)=0とすると因数定理より共通因数を持たないことに反するからP(c)0Q(x)=0なるx=c1,,cnをとる。n=1のとき、a<x<cf(x)<0c<x<bf(x)>0よりf(x)n>1のとき、I0=(a,c1),I1=(c1,c2),,In1=(an1,an),In=(an,b)に対しxIkならばf(x)<0だがxIk+1ならばf(x)>0なるようなkが少なくとも1つ存在するから、n=1のときと同様にc=ck+1とすればf(x), 

f(x,y)=x4+y4+6x2y22y2とする。
(1) 極値を求めよ。
(2) f(x,y)<0の区域を探求せよ。

  1. fx=4x3+12xy2,fy=4y3+12x2y4y,fxx=12x2+12y2,fxy=24xy,fyy=12y2+12x24
    よりΔ(x,y)=fxxfyyfxy2とするとfx(x,y)=0x=0x2+3y2=0fy(x,y)=0y=03x2+y2=1。よって停留点は(0,0),(0,±1)Δ(0,0)=0,Δ(0,±1)=96>0であり、fxx(0,±1)=12>0より(0,±1)で極小となる。また、f(x,0)=x4, f(0,y)=y2(y+2)(y2)から(0,0)の近傍でf(x,y)は正にも負にもなりうるから極値をとらない。よって(0,±1,1)のみ。

三角形ABCの平面上で3つの頂点からの距離の和を最小にする点を求めよ

微分による証明

A(x1,y1),B(x2,y2),C(x3,y3)とする。平面上の点をP(x,y)とすると、距離の和はf(x,y)=i=13(xxi)2+(yyi)2だから、PA,B,Cのときfが極値を持つ必要条件は
{fx=i=13xxi(xxi)2+(yyi)2=0fy=i=13yyi(xxi)2+(yyi)2=0 (1)
であるが、vi=(xxi,yyi),ei=vi|vi|とすると、条件はe1+e2+e3=0|e1|=|e2+e3|から両辺2乗してe2e3=12。同様にしてe1e2=e3e1=12からe1,e2,e3のうち任意の2つがなす角は23π
また、Aを中心とする半径f(A)の円の内部と周をDとすると、PRDに対しf(P)>PA>f(A)だからPR2におけるf(P)の最小値はPDにおけるものと一致するが、定理13よりPDにおける最小値は存在するから、f(x,y)R2で最小値を持つ。

  1. max{A,B,C}<23πのとき
    まず、ABCの内部の点FがあってAFB=BFC=CFA=23πを満たすことを示す。辺ABの垂直二等分線上を動く点Nを中心とし、A,Bを通る円ΓNを考え、FABに対してCと同じ側の弧AB上にあるとする。

    このとき、円周角の定理よりAFBNの位置のみに依存し、Nが図において下に無限に行けばAFBπで、ΓNが円ABCと一致するときAFB=ACB<23πであるから、中間値の定理よりあるNがあって、AFB=23πを満たす。また、このNに対して、同じように弧AB上にFをとると、F=AのときAFC=πであり、F=BのときAFC=ABC<23πであるから、中間値の定理よりAFC=23πを満たすFが存在する。よって、示された。
    よって、このFは(1)の条件を満たすが、このようなFの一意性は明らかであるから、f(x,y)が最小値を持つことより、最小値を取る点の候補はF,A,B,C。いま余弦定理よりAB2=FA2+FB2+FAFB,AC2=FA2+FC2+FAFCだから、a=FA,b=FB,c=FCとすると
    f(A)2f(F)2=(AB+AC)2(FA+FB+FC)2=2ABAC+a2+b2+ab+a2+c2+caa2b2c22ab2bc2ca=2(a2+b2+ab)(a2+c2+ca)+a2ab2bcca
    ここで
    4(a2+b2+ab)(a2+c2+ca)(a2+ab+2bc+ca)2=4(a4+(b+c)a3+(b2+bc+c2)a2+abc(b+c)+b2c2)(a4+2(b+c)a3+(b22bc+c2)a2+4abc(b+c)+4bc2)=a2(3a2+2(b+c)a+(b+c)2)=a2(3(a+b+c3)2+23(b+c)2)>0
    から4(a2+b2+ab)(a2+c2+ca)(a2+ab+2bc+ca)2>0より2(a2+b2+ab)(a2+c2+ca)+a2ab2bcca>0だから(x2>y2のとき、x>0であればyの符号に関わらずx>y)f(A)2f(F)2>0f(A),f(F)>0だからf(A)>f(F)。同様にしてf(B),f(C)>f(F)だからf(F)が最小値。よって、求める点はF
  2. max{A,B,C}23πのとき
    このとき、(1)を満たすPが存在したとするとある点FがあってAFB=BFC=CFA=23πを満たすが、そのようなFが内部または周上にあることはmax{A,B,C}23πよりありえず、外部にあるとすると図のようになり23π+23π=23πから不適。よって(1)をみたすPは存在しない。

    よってfは極値を持たないが、最小値を持つからその候補はA,B,Cmax{A,B,C}=A>23πとして一般性を失わない。このとき、
    BC2=AB2+AC22ABACcosA
    より
    AB+AC(AB+BC)=ACBC=ACAB2+AC22ABACcosA=AB(2ACcosAAB)AC+AB2+AC22ABACA<0(cosA<12<0)AB+AC(AC+BC)=ABBC=ABAB2+AC22ABACcosA=AC(2ABcosAAC)AB+AB2+AC22ABACA<0(cosA<12<0)
    から、f(A)が最小、よって求める点はA

第3章

次の関数は不定積分が初等関数で表される。(P,Qは多項式、Rは有理関数、a,b,cなどは定数。)
(1) P(x)eaxcosbxdx, P(x)eaxsinbxdx
(2) P(cosa1x,,cosapx,sinb1x,,sinbqx)dx
(3) ecxQ(x)P(cosa1x,,cosapx,sinb1x,,sinbqx)dx
(4) R(x)logxdx, R(x)arctanxdx, R(x)arcsindx

  1. xneaxeibxdx=xneaxcosbxdx+ixneaxsinbxdx=xne(a+ib)xa+ib1a+ibxn1e(a+ib)xdx
    e(a+ib)xdx=ea+ibxa+ibより帰納的に示される。
  2. k=1pcosekakxl=1qsinelblxdxが積分できることを示せば十分。いま
    cosαcosβ=cos(α+β)+cos(αβ)2cosαsinβ=sin(α+β)+sin(αβ)2sinαsinβ=cos(αβ)cos(α+β)2
    より、結局cosλxdxまたはsinμxdxの形になるから、これは積分できる。
  3. (2)と同様にして、結局ecxQ(x)cosxdx, ecxQ(x)sinxdxの形になり、これは(1)より積分できる。
  4. R(x)logxdx=R(x)logxR(x)xdxR(x)arctanxdx=R(x)arctanxR(x)1+x2dxR(x)arcsinxdx=R(x)arcsinxR(x)1x2dx=R(x)arcsinxR(sinu)du(x=sinu)
    より、(2)からこれは積分できる。

cosnxdx=2(n+1)k=0n12(nk)sin(2kn)x(2kn)+{2n(nn2)x(x0mod2)0(x1mod2)

cosx=(eix+eix2)より、
cosnxdx=(eix+eix2)ndx=2nk=0n(nk)eikxe(nk)ixdx=2nk=0n(nk)e(2kn)ixdx
nが偶数のとき、
cosnxdx=2n(k=0n21(nk)e(2kn)ix(2kn)i+(nn2)x+k=n2+1n(nk)e(2kn)ix(2kn)i)=2n(k=0n21(nk)e(2kn)ix(2kn)i+(nn2)x+k=0n21(nnk)e(n2k)ix(n2k)i)=2n(k=0n21(nk)e(2kn)ixe(2kn)ix(2kn)i+(nn2)x)=2n(k=0n21(nk)2sin(2kn)x(2kn)+(nn2)x)
nが奇数のとき、
cosnxdx=2n(k=0n(nk)e(2kn)ix(2kn)i)=2n(k=0n12(nk)e(2kn)ix(2kn)i+k=n+12n(nk)e(2kn)ix(2kn)i)=2(n+1)k=0n12(nk)sin(2kn)x(2kn)

α0のとき
sinα1xcos(α+1)xdx=1αsinαxcosαxsinα1xsin(α+1)xdx=1αsinαxsinαxcosα1xcos(α+1)xdx=1αcosαxsinαxcosα1xsin(α+1)xdx=1αcosαxcosαx

sinα1xcos(α+1)xdx=(sinα1xcosαxcosxsinα1xsinαxsinx)dx=1α(sinαx)cosαxdxsinαxsinαxdx=1αsinαxcosαx
となる。他も同様。

F,f,g,φ,ψは有理式とする。
F(cosx,sinx)=f(cosx)+g(cosx)sinxf(cosx)=φ(cos2x)+ψ(cos2x)cosx

多項式PP(x,y)=i=0nxi(j=0maijy2j+j=0mbijy2j+1)とすると
P(cosθ,sinθ)=i=0ncosiθ(j=0maijsin2jθ+j=0mbijsin2j+1θ)=i=0ncosiθj=0maij(1cos2θ)j+(i=0ncosiθj=0mbij(1cos2θ)j)sinθ
よりP(cosθ,sinθ)=αP(cosθ)+βP(cosθ)sinθと表される。よって、
F(cosx,sinx)=P(cosx,sinx)Q(cosx,sinx)=αP+βPsinxαQ+βQsinx=(αP+βPsinx)(αQβQsinx)αQ2βQ2(1cos2x)=αPαQβPβQ(1cos2x)+(αQβPαPβQ)sinxαQ2βQ2(1cos2x)
から示される。また、多項式PP(cosθ)=αP(cos2θ)+βP(cos2θ)cosθと分解できるのは明らか。
f(cosx)=R(cosx)S(cosx)=αR+βRcosxαS+βScosx=αRαSβRβScos2x+(αSβRαRβS)cosxαS2βS2cos2x
から示される。

Ip,q=tp(at+b)qdt
とするとき、次が成立する。

  1. (p+q+1)Ip,q=qbIp,q1+tp+1(at+b)q
  2. a(p+q+1)Ip,q=pbIp1,q+tp(at+b)q
  1. (p+q+1)Ip,qqbIp,q1=(p+q+1)tp(at+b)qdtqbtp(at+b)q1dt=tp(at+b)q1((p+q+1)(at+b)qb)dt=tp(at+b)q1((p+1)(at+b)atq)dt=((p+1)tp(at+b)qatqtp(at+b)q1)dt=tp+1(at+b)q
  2. (1)と同様。
  1. 0πsinx12acosx+a2dx={2,|a|12|a|,|a|1
  2. 01xlogx(1+x)4dx=16(log214)
  1. a=0のとき明らか。a0のとき、
    0πsinx12acosx+a2dx=11dt2at+a2+1(t=cosx)=2at+1+a2a|11=|a1||a+1|a={2,|a|12|a|,|a|1
  2. 01xlogx(1+x)4dx=12(t1)log(t1)t4dt=12(log(t1)t3log(t1)t4)
    であり、
    log(t1)t3=log(t1)2t2+dt2t2(t1)=log(t1)2t2+12(t1t2+1t1)=log(t1)2t2+12(logt+1t+log(t1))=12((t+1)(t1)log(t1)t2logt+1t)log(t1)t4=log(t1)3t3+dt3t3(t1)=log(t1)3t3+13(t2+t+1t3+1t1)=log(t1)3t3+13(log(t1)logt+1t+12t2)+Const=13((t2+t+1)(t1)log(t1)t3logt+1t+12t2)
    から、[1,2]で積分して
    12log(t1)t3=12(log212)12log(t1)t4=13(log278)
    より示される。
  1. abdx(xa)(bx)=π(a<b)
  2. 11dx(ax)1x2=±πa21(|a|>1,±aの符号)
  3. 0π2(π2x)tanxdx=π2log2
  4. 01logxxαdx=1(1α)2(0<α<1)
  1. abdx(xa)(bx)=01dtt(1t)(x=ta+(1t)b)=012du1u2(t=u2)=2arcsinu|01=π
  2. 11dx(ax)1x2=0πdtacost(x=cost)=20dt(a+1)t2+a1(u=tant2)=2a1a1a+1arctana+1a1t|0=πa1a1a+1=±π(a1)2a1a+1=±πa21
    ただし±aの符号。
  3. §34[例3]より、
    0π2(π2x)tanxdx=0π2utanu(u=π2x)=ulogsinu|0π20π2logsinudu=π2log2
  4. 01logxxαdx=logx(1α)xα11(1α)2xα1|01=1(1α)2(0<α<1)

0sinxxνdx
1<ν<2で絶対収束、0<ν1で条件収束。

1<ν<2のとき、
0|sinxxν|dx01sinxxνdx+1dxxν01dxxν1+1dxxν(sinxx)<
より絶対収束。
0<ν1のとき、0<s<tに対して
|stsinxxνdx|=|cosxxν|ststνcosxxν+1|=|costtνcosssν+stνcosxxν+1||costtν|+|cosssν|+|stνcosxxν+1|1tν+1sν+st1xν+1dx2sν1νxν|st=2sν1νtν+1νsν(2+1ν)sν0(s)
よりCauthyの収束条件からこれは収束する。
0|sinxxν|dxが収束しないことを示す。
nπ(n+1)π|sinxxν|dx=0π|sinx(nπ+u)ν|(u=xnπ)>2(n+1)νπν
だから、
0|sinxxν|dx=n0nπ(n+1)π|sinxxν|dx>n02(n+1)νπν=2πνn11nν=
からこれは収束しない。よって、0<ν1で条件収束。

0xdx1+x6sin2xは収束する。

nπ(n+1)π|x1+x6sin2x|dx(n+1)πnπ(n+1)πdx1+(nπ)6sin2x=(n+1)π0πdu1+(nπ)6sin2u(u=xnπ)=2(n+1)π0π2du1+(nπ)6sin2u=2(n+1)π0dt((nπ)6+1)t2+1(t=tanu)=2(n+1)π1(nπ)6+1arctan(nπ)6+1t|0=(n+1)π2(nπ)6+1
いま
1n4((n+1)π2(nπ)6+1)2=(nπ)6+1n4(n+1)2π4n4((nπ)6+1)=n4π4((π1)n1)((π+1)n+1)+1n4((nπ)6+1)>0
から(n+1)π2(nπ)6+1<1n2
より
0|x1+x6sin2x|dx<0π|x1+x6sin2x|dx+n>01n2<

Jn=01xn1x4dx
とすると、(n1)Jn=(n3)Jn4

Jn=01xn1x4dx=0π2sinn2ucosucosu2sinu(x=sinu)=120π2sinn12udu=120π2sinn32u(cosu)du=12(sinn32ucosu|0π2+n320π2sinn52u(1sin2u)du)=n32(120π2sinn52udu120π2sinn12udu)=n32(Jn4Jn)

f,g[a,b]で可積分ならば
(abf(x)g(x)dx)2(abf(x)2)(abg(x)2)
であり、f,gが連続ならば等号はf,gの比が定数であるときに成立する。

g(x)が定数関数g(x)=0ならば明らか。そうでないとき、f,gが可積分だからλRに対して(f(x)+λg(x))2も可積分。よって、
ab(f(x)+λg(x))2dx=abf(x)2dx+2λabf(x)g(x)dx+λ2abg(x)2dx0
から、これをλの2次式と見て
(abf(x)g(x)dx)2(abf(x)2dx)(abg(x)2dx)0
から示される。等号は、f=0またはg=0またはλの2次式が重解ξを持つときで、f,gが連続ならばこれはf+ξg=0と同値。これはつまりf,gの比が定数であることである。

f1,,fn[a,b]で可積分で、apq=abfp(x)fq(x)dxとすると、
|a11a1nan1ann|0
であり、等号はf1,,fn[a,b]で連続ならばi=1ncifi=0,(c1,,cn)(0,,0)のとき成り立つ。

A=(aij)とし、Aの二次形式をqA(x)とすると、
ab(i=1nuifi(x))2dx=i=1nj=1nuiujabfi(x)fj(x)dx=qA(x)0
より、Aの2次形式が非負だから|A|0。また、f1,,fnが連続ならばi=1nuifi0のときqA(x)>0だから|A|>0。よって、|A|=0ならばあるx0があってqA((x))=0を満たすからu(x)=(f1(x),,fn(x))とするとxu=0,x0を満たし、示される。

Hermiteの多項式
Hn(x)=(1)nex2dndxnex2
に対し、
Hm(x)Hn(x)ex2=δmn2nn!π
である。(δmnはKroneckerのdelta。)

mnとして一般性を失わない。Hn(x)=2nHn1(x)を示す。帰納法による。H0(x)=1,H1(x)=2xよりn=1では明らか。Hn(x)=2nHn1(x)を仮定すると、
Hn(x)=(1)n2xex2dndxnex2(1)n+1ex2dn+1dxn+1ex2=2xHn(x)Hn+1(x)
の両辺微分して
Hn+1(x)=2Hn(x)+2xHn(x)Hn(x)=2Hn(x)+2x2nHn1(x)2nHn1(x)=2Hn(x)+2n(2xHn1(x)Hn1(x))=2(n+1)Hn(x)
から示される。xkdndxnex20  (n±)を示す。練習問題(2)-(3)より、Hn(x)n次の多項式だから
|xkdndxnex2|=|xkHn(x)(1)nex2||nxn+kex2|0
から示される。以上より、
Hm(x)Hn(x)ex2=Hm(x)(1)nex2(dndxnex2)ex2dx=(1)nHm(x)dndxnex2dx=(1)n(Hm(x)dn1dxn1ex2|Hm(x)dn1dxn1ex2dx)=(1)n+12mHm1(x)dn1dxn1ex2dx=(1)n+m2mm!dnmdxnmex2dx={2nn!ex2dx(n=m)(1)n+m2mm!dnmdxnmex2dx(nm)=δmn2nn!π

Laguerreの多項式
Ln(x)=exdndxnxnex
に関して、
0Lm(x)Ln(x)exdx=δmn(n!)2

D=ddxとする。nmとして一般性を失わない。a,b,pZ>0,bpのとき
xaDpxbexdx|0=0
を示す。
xaDpxbexdx=xak=0p(pk)(Dkxb)(Dpkex)=xak=0p(pk)b!(bk)!xbk(1)pkex
より、x,0で各項0に飛ぶから示される。また、q>0,cp,dqとして
ex(Dpxcex)(Dqxdex)|0=0
も同様に示される。よって、
0Lm(x)Ln(x)exdx=0Lm(x)ex(Dnxnex)exdx=0Lm(x)Dnxnexdx=0ex(Dmxmex)(Dnxnex)dx=ex(Dmxmex)(Dn1xnex)|00D(ex(Dmxmex))(Dn1xnex)dx=0D(exDmxmex)(Dn1xnex)dx=(1)n0Dn(exDmxmex)xnexdx=(1)n0k=0n(nk)ex(Dm+kxmex)xnexdx=(1)nk=0n(nk)0xnDm+kxmexdx=(1)nk=0n(nk)(xnDm+k1xmex|00nxn1Dm+k1xmexdx)=(1)nk=0n(nk)(1)nn!0Dm+knxmexdx=n!k=0n(nk)0Dm+knxmexdx
ここで、Gamma関数の定義より
0Dm+knxmexdx={m!(m+kn=0)0(m+kn>0)
であり、n=m+knm、いまnmとしているからn=m,k=0。よって、
0Lm(x)Ln(x)exdx=n!k=0n(nk)δnmδk0m!=δnmn!m!=δnm(n!)2

0<x<1に対してx=2n, nZ>0ならばf(x)=10nとし、そうでなく、x=n=1an2nと展開されるならばf(x)=n=1an10nと定めると、fは関数となる。このfに対して、
01f(x)=118

01f(x)=limn12nk=02nf(k2n)
より
2nk=02nf(k2n)=2n(f(12n)+f(22n)++f(2n2n))=20n(1+10+11++10n)=20n(k=0n12n110k+10n)=20n(2n1(10n1)9+10n)=110n18+2n118
から示される。

投稿日:26日前
更新日:24日前
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