0

東大数理院試過去問解答例(2025A03)

190
0

ここでは東大数理の修士課程の院試の2025A03の解答例を解説していきます。解答例はあくまでも例なので、最短・最易の解答とは限らないことにご注意ください。またこの解答を信じきってしまったことで起こった不利益に関しては一切の責任を負いませんので、参照する際は慎重に慎重を重ねて議論を追ってからご参照ください。また誤り・不適切な記述・非自明な箇所などがあればコメントで指摘していただけると幸いです。

2025A03
  1. 関数fn:RR
    f1(x)=sin(x)
    fn(x):=fn1(sin(x))
    と定義する。関数列{fn}n=1R上で一様収束するかどうか判定し、一様収束するならその収束関数f(x)を求めなさい。
  2. 関数gn:R3R
    gn(x)=log(enx+eny+enz)n
    で定義する。関数列{gn}n=1R3上で一様収束するかどうか判定し、一様収束するならその収束関数g(x,y,z)を求めなさい。
  1. 一様収束し、その収束値は
    f(x)=0
    であることを示す。まずsin(x)は周期πの奇関数であることから、I=[0,π2]に於ける一様収束性及び0への収束を述べればよい。このときfn(x)は任意のxIに対して非負実数からなる広義単調減少列であるから、極限y=limnfn(x)が存在し、これは
    sin(y)=sin(limnfn(x))=limnsin(fn(x))=limnfn+1(x)=y
    よりy=0である。ここで任意のεに対してfn(π2)εなるnを取れば、任意のxIについて
    fn(x)fn(π2)<ε
    であるから、fnの一様収束性及び0への収束が言えた。
  2. まずxyzのとき
    gn(x)=enx+enynenzlog(1+enx+enyenz)enzenx+eny+z
    である。よって任意のn及びxyzに対して
    |gn(x,y,z)z|2n
    が成り立つ。xyz以外の場合にも同様の議論を行うことで、gn(x,y,z)一様収束することがわかり、その極限は
    g(x,y,z)=max{x,y,z}
    である。
投稿日:21日前
OptHub AI Competition

この記事を高評価した人

高評価したユーザはいません

この記事に送られたバッジ

バッジはありません。
バッチを贈って投稿者を応援しよう

バッチを贈ると投稿者に現金やAmazonのギフトカードが還元されます。

投稿者

藍色の日々。趣味の数学と院試の過去問の(間違ってるかもしれない雑な)解答例を上げていきます。リンクはX(旧Twitter)アカウント 

コメント

他の人のコメント

コメントはありません。
読み込み中...
読み込み中