こんにちは、KsK074と申します。変な名前ですね。初めての投稿なので不慣れな点もあると思いますが、温かい目で見ていただけたらと思います。
この記事では、一様有界性原理の証明を、Baireのカテゴリー定理を経由するよく知られた方法とは別の方法で与えようと思います。
以下のノルム空間とその間の線型写像は$\mathbb{R}$上でも$\mathbb{C}$上でもどちらでも構いません。
$(X,|\cdot|)$をBanach空間、$(Y,|\cdot|)$をノルム空間とし、各$\lambda\in\Lambda$に対して有界線形作用素$T_\lambda:X\to Y$が与えられているとする. ここで
$$\sup_{\lambda\in\Lambda}\|T_\lambda\|=\infty$$
ならば, $x\in X$が存在して,
\begin{align*}
\sup_{\lambda\in\Lambda} \|T_\lambda x\|=\infty
\end{align*}
である.
ただしここで作用素$T$に対しその作用素ノルムは$\displaystyle\|T\|\coloneqq\sup_{|x|=1}|Tx|$で定義される.
今, 仮定より各$n\in\N$に対して$T_n\in\{T_\lambda\colon \lambda\in\Lambda \}$を, $\|T_n\|>100^n$となるようにとれる. また$x_n\in X$を$|x_n|=1$かつ$|T_n x_n|>\dis\frac{99}{100}\|T_n\|$となるようにとれる.
ここで$(s_n)_{n\in\N}\subset X$を次のように帰納的に定める.
このとき$(s_n)\subset X$はコーシー列である. 実際, $n< m$としたとき
\begin{align}
|s_m - s_n|
&\leq |s_m-s_{m-1}|+\cdots+|s_{n+1}-s_n|\\
&\leq \left|\frac{x_{n+1}}{10^{n+1}}\right|
+\cdots+\left|\frac{x_{m}}{10^{m}}\right|\\
&=\frac{1}{9\cdot 10^n}
\end{align}
である. 今$X$は完備なので$(s_n)$の収束先$s\in X$がある. ここで$n\in\N$に対して,
\begin{align}
|T_ns|&\geq |T_ns_n|-|T_n(s-s_n)|\\
&> \frac{99}{100}\frac{\|T_n\|}{2\cdot 10^n} -
\|T_n\|\cdot|s-s_n|\\
&\geq\frac{99}{100}\frac{\|T_n\|}{2\cdot 10^n} -
\frac{\|T_n\|}{9\cdot 10^n}\\
&=\bra{\frac{99}{100}\cdot\frac12-\frac19}\frac{\|T_n\|}{10^n}\\
&>\bra{\frac{99}{100}\cdot\frac12-\frac19}\cdot 10^n
\end{align}
であるから, $\dis\sup_{\lambda\in\Lambda} |T_ns| \geq\sup_{n\in\N}|T_ns|=\infty$ $\qed$
証明で$100$というバカみたいな数字がでてきましたが、極端な数字にしたほうが役割がわかりやすいかなと思ってこうしただけで、当然もう少し小さい数でも証明できます(具体的には、4くらい)。