Mathお様投稿の記事「自作漸化式」
にある漸化式を解いてみた.
ある程度結果を得たので記事にしたい.
なお、以下元記事解答の内容も含めてネタバレであるため,
先に問題を解きたいという方は一旦上記リンクから元記事に進まれることをお勧めする.
この問題に対して元記事では
と置いてうまく漸化式を変形することで
を得て,さらにここから多少の変形により
加法定理を適用する形で計算を進めている.
以降の詳細については
Mathお様投稿の元記事
を見ていただく
こととして,以下では別の方針で問題にあたる.
さて、別の方針と言いつつ、(※)の式はそのまま利用したい。
を元記事では
つまり数列
施すことで得られる数列であるということができる.
よく知られた事実として一次分数変換は複素数
に対する行列の作用と見なせ,一次分数変換の合成は行列の積に対応する.
このことから、元の問題は次のように言い換えられることがわかる.
一次分数変換を行列Aによって
行列の積の計算の問題になった.
数学的帰納法で示す.n=1のとき
となり
行列の項が実質2つしかないことと,ついでにそれらが満たす漸化式もわかったのでさらに計算を進める.
上記補題の証明中の項の内容から
という連立漸化式を得られる.
(1)+(2),(1)-(2)を計算すると
となる.
これより
同様に
となる。
これより
よって
めでたく元記事と答えが一致した.
さて,まぁ別解を名乗ってもよかろうというぐらいには別の内容になったと思われるが,関連性がないかと言われればそうではない.
元記事では
当解答でもその片鱗を見出すことができる。
それは当解答で頑張って計算した
という
行列式の絶対値が1になるよう行列のスカラー倍で調整する。
(一次分数変換を行列で書く時行列のスカラー倍は結果に影響を及ぼさない)
同様に
と置ける.
から
(ただしここから
紙の上で計算できたと思ってから,mathlogでの記事にしている間に
天下りな計算が結構あったところ,今の内容はだいぶましになった.
また
答えにたどり着けそうだとこの記事を書き終わったあたりで気づいた.
漸化式の計算は大分面倒くささが増すので,上記のほうがいいのは間違いないと思われる.