本記事では$0\notin\mathbb{N}$です。
今回扱う問題は「$2n^2+1=3^m$を満たす正整数組$(m,n)$を全て求めよ.」です。これは rakki杯 のP3として元々出される予定だったが、大学数学が必要そうだったので出題が断念された問題とほぼ同値です。しかし、私はこの問題をなんとか初等的に解くことができたので記事にしました。
正整数組$(x,y)$が$3x^2-2y^2=1$を満たす$\Longleftrightarrow$正整数組$(x,y)$が, $a_1=1,b_1=1$かつ
\begin{align}\left\{\begin{aligned}
a_{n+1}=5a_n+4b_n\\
b_{n+1}=6a_n+5b_n\end{aligned}\right.&\quad
(n\in\mathbb{N})\end{align}
で定まる数列$\{a_n\},\{b_n\}$と適当な$m\in\mathbb{N}$を用いて$(x,y)=(a_m,b_m)$と表される.
こちら を参照.
かなり非自明な補題ですね。
i)$m$が偶数の場合
$m=2a\ \ (a\in\mathbb{N})$と置けるから与式は$2n^2=(3^a-1)(3^a+1)$と変形できる.
$3^a+1,3^a-1$はともに偶数であり, また$3^a+1=3^a-1+2$だからユークリッドの互除法より$\gcd(3^a-1,3^a+1)=2$.
よって$3^a-1,3^a+1$の一方は$p^2$,もう一方は$2q^2$と表される.($p$は偶数, $q$は奇数).
$\gcd(3^a-1,3^a+1)=2$であること, $3^a-1$と$3^a+1$の少なくとも一方は$4$の倍数であること, 平方数は各素因数をそれぞれ偶数個持っていることに注意した上で, $3^a-1$と$3^a+1$に素因数を分配していくイメージで考えると分かりやすい.
ii)$m$が奇数の場合
$m=1$のとき$n=1$を得る.
以降$m\ge3$とする.
このとき$m=2b+1\ (b\in\mathbb{N})$と表される.
したがって与式は$3(3^b)^2-2n^2=1$と変形できる.
$b=1$のとき$n^2=13$となり不都合.
$b=2$のとき$m=5,n=11$を得る.
$b\ge3$のとき
$x\coloneqq3^b$と置くことで$3x^2-2n^2=1$を得る.
よって補題1から$a_1=1,b_1=1$かつ
\begin{align}\left\{\begin{aligned}
a_{n+1}=5a_n+4b_n\\
b_{n+1}=6a_n+5b_n\end{aligned}\right.&\quad
(n\in\mathbb{N})\end{align}
で定まる数列$\{a_n\},\{b_n\}$と適当な$k\in\mathbb{N}$を用いて$x=a_k$と表される. このとき$a_k$は$27$の倍数である.
補題の$a_n$は定義から$$a_1=1,a_2=9,a_{n+2}=10a_{n+1}-a_n\ \ (n\in\mathbb{N})$$という漸化式によっても表される.
この式を用いて$a_n$を$27$で割った余りを計算することで
$a_n$が$27$の倍数$\Longleftrightarrow n\equiv5,14\pmod{18}$が示される.
同様にして
$a_n$が$17$の倍数$\Longleftrightarrow n\equiv5,14\pmod{18}$も示される.
したがって$x$が$27$の倍数のとき$x$は$17$の倍数であるがこれは$x=3^b$に反するため$b\ge3$は不都合.
以上より$2n^2+1=3^m$を満たす正整数組$(m,n)$は$(1,1),(2,2),(5,11)$のみである.
「$a_n$が$27$の倍数$\Longleftrightarrow$$a_n$が$17$の倍数」に気付いたときは流石に震えました。これ以上の奇跡はそう起こらないでしょう。