全微分というのを1年生の微分積分学で習ったと思います.その定義は大雑把に言えば次のようなものでした.
そしてこれは座標によらないのでした.つまり,
という別の表示があった時,形式的に次のような関係があるのでした.
この関係は微分の連鎖律から求めることができます.
さて,多様体論を勉強すると,接ベクトル空間が次のような微分作用素を基底としたものとして定まりました.
別の座標系で
と表示されているとき,これらの間には
という関係がありました.
さて,
答えですが,
双対基底なので
が成り立ちます.よって
が成り立ち,ゆえに,
である.
として代入すれば,
である.よって示された.
上の一般化をしたいと思います.今度は重積分について考えます.
ヤコビアンの絶対値は積分値がマイナスにならないように付けているものであったので一般的な状況を考えるためにここでは外して考える.すると,行列式の交代性により便宜的に次のように考えた方が良いことが分かる.つまり,
が成り立つようになる.
このような記号を数学的に定式化していきましょう.これは先ほど手に入れた余接ベクトル空間の外積代数の元として実現できます.こうすると例えば基底として
となり,欲しかった関係が得られる.
というのを書きたかったのですか,こいつ内容が深すぎて書くだけの知識がまだ僕に足りないというのが実情です.すみません.ストークスの定理やドラームコホモロジーなど内容が盛りだくさんで余力が足りないのです.
双対空間のありがたみが分かったような気がします.