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ナナベキ : 7の冪乗数と戯れる

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はじめに

はじめにまとめ

本稿では、7273などの7 の非負整数羃の面白いと思った性質について述べる。
なお、以降、7 の非負整数羃を「ナナベキ」と呼ぶことにする。

さっそく、まとめ。

  • ナナベキの下 2 桁は 010749434 種類しかない。
    • 74=2401,75=16807,76=117649,77=823543,78=5764801,
  • 連続する四つのナナベキの和は 100 で割り切れる。
    • 例えば、k=037k=70+71+72+73=400,k=477k=74+75+76+77=960400
  • ナナベキは、下 2 桁だけでなく下 3,4,5 桁の種類も少ない。

ナナベキの下 2 桁

ナナベキの下 2 桁は 4 種類しかない

ナナベキを順に計算してみる。

70=171=772=4973=34374=24011(mod100)
このことから次の命題が成立する。

ナナベキの下 2 桁と指数の関係

nを非負整数としたとき、
7n{1(mod100)n0(mod4)7(mod100)n1(mod4)49(mod100)n2(mod4)43(mod100)n3(mod4).

平たく言うと、72 乗、3 乗、... と 7 の自然数乗を見ていったときに、下 2 桁は 01074943 のいずれか、ということである。

連続する4ナナベキの和の下 2 桁

命題1より、次の命題もすぐに導かれる。

連続する四つの非負整数による 7 の羃乗数の和の下2桁は00である。
すなわち、nn0 なる整数として、
k=037n+k0(mod100).

たとえば、
70+71+72+73=1+7+49+343=400,71+72+73+74=7+49+343+2401=2800,74+75+76+77=2401+16807+117649+823543=60400,
など。

「位数」あるいは「下 k 桁の種類数」

位数

(自然数 m に素な) 自然数 a の羃を m で割ったときの余りは循環するが、一周回ってくるまでどれくらいか、という値を「m を法とする a の位数」と呼ぶ。

位数

m を法とする a の位数 ordm(a) とは、avm を法として 1 と合同になるような最小の自然数 v のことである。
ordm(a)=defargminvN{av1(modm)}

m 進数表示の下 m

am で割ったときの余りは、am 進数表示したときの最終桁、とも言える。
am2 で割ったときの余りは、αm+β という形をとり、これは、am 進数表示したときの下2桁、とも言える。
同様に、amk で割ったときの余りは、am 進数表示したときの下k桁、と言える。

そうすると、mk を法とする a の位数ordmk(a) は「a の冪乗数を m 進数表示したときの下 k 桁」が何種類あるのかを表している、と言える。

7の位数 (m=10,100)

命題1 を位数の観点から捉えると、次のことが言える。

10および100を法とした 7 の位数

ord10(7)=ord100(7)=4.

この 4 という値が、一般的な位数よりどれくらい小さいのか、ということを見ていく。

オイラーの定理とトーシェント関数

トーシェント関数 φ(m) を用いると、mと互いに素な a に対して、次のオイラーの定理が成り立つ。

オイラーの定理

aφ(m)1(modm).

位数の定義から、ordm(a)φ(m)、より詳しく言うと ordm(a)φ(m) の約数、すなわち
ordm(a)φ(m) である。

一般的なトーシェント関数についての値は割愛するが、10 の冪乗についてのトーシェント関数は、k を自然数として、次式で与えられる。
φ(10k)=2k+15k1=410k1.
これとオイラーの定理を合わせると、次の命題が成り立つ。

25 を素因数に含まない自然数 a に対して、
a410k11(mod10k).

すなわち、a の冪乗数の下 k 桁はたかだか 410k1 種類以下、正確には410k1 の約数である ord10k(a) 種類の下 k 桁が出現する、ということである。
たとえば、a=3 の場合、ord10(3)=4,ord100(3)=40 である。

10k を法とした 7 の位数

k>2 の場合の10k を法とした 7 の位数を求めてみる。

mk を法とした位数がわかっているときの mk+1 を法とした位数

wkを、mk を法としたときの a の位数とする。すなわち、wk=ordmk(a)
このとき、mk+1 を法とした合同を考えると、0b<m なる整数 b を用いて、
awkbmk+1(modmk+1),
と表すことができる。
位数の定義より、v<w ならば、av1(modmk) なので、自然数 c を用いると、
acwk+v=(awk)cav1cavav1(modmk),acwk+v1(modmk+1).
つまり、mk+1 を法とした位数 wk+1 は、mk を法とした位数 wk の倍数になるはずである。
また、
acwk=(awk)c(bmk+1)c(modmk+1),
二項展開を用いて
acwk(bmk+1)ccbmk+1(modmk+1).
したがって、acwkmk+1 を法として 1 と合同になるには、cbmk0 と合同である必要がある。
b の値によらず、c=m ならばcbmk0(modmk+1) なので、 mk+1 を法とした位数 wk+1=ordmk+1(a)cwk 以下である。

まとめると、次のようになる。

mk を法とした位数がわかっているときの mk+1 を法とした位数

mk を法としたときの a の位数をwkとすると、mk+1 を法としたときの a の位数wk+1 は、
wk+1=cwk,
と書ける。
ただし、c1c<m なる自然数である。

このことから、wk=ordmk(a) がわかっているときには、自然数 c1 から順に試し、(awk)c1(modmk+1) となるものとして ordmk+1(a) を求めることができることがわかる。

高次ナナベキ

k>2のときの ord10k(7)を計算するために、次のΥknsを定義する。

ユプシロン

自然数 k、非負整数 n25で割り切れない非負整数 s に対して、Υknsを次のように定義する。
Υkns=def2k+n5ks+1=2ns10k+1

Υknsは、10進数表記したときに、2nsのうしろに k1 個の 0 と最後に 1 をつけた数と言ってもよい。s は素因数として 25 も含まないので、2nsの末尾が 0 になることはない。すなわち、Υkns1の末尾に付く 0 の個数はちょうど k 個で 下 k+1 桁目は 0 でない。
また、定義よりΥkns1(mod10k) もあきらか。

ちなみに、
74=2401=24100+1=233×102+1=Υ233,
である。

ここで、(Υkns)c を計算してみる。
二項定理より、
(Υkns)c=(2ns10k+1)cc(2ns10k)+1(mod10k+1).
s5を素因数に含まないので、
(Υkns)cc(2ns10k)+1{2ncs10k+11(mod10k+1)c<55s10k+11(mod10k+1)c=5n=02n1s10k+1+11(mod10k+1)c=5n1.
つまり、次の性質が成り立つ。

10k を法としたときの a の位数がwkで、かつ、awk=Υknsのとき、10k+1 を法としたときの a の位数 wk+1 は、n=0 のとき 10wkn15wk である。

n1 のときの (Υkns)5を計算してみる。
(Υkns)5=(2ns10k+1)5=(2ns10k)5+5(2ns10k)4+10(2ns10k)3+10(2ns10k)2+5(2ns10k)+1=25ns5105k+24n1s4104k+1+23ns3103k+1+22ns2s102k+1+2n1s10k+1+1=2n1(24n+1s4104k1+23ns3103k+22n+1s2102k+2n+1s102k+1+1)s10k+1+1=2n1Γkns+1.
ここで、Γkns は、便宜的に次のように定義したものである。
Γkns=def24n+1s4104k1+23ns3103k+22n+1s2102k+2n+1s102k+1+1.
この定義から Γkns1(mod2)Γkns1(mod5) が言えるので、
(Υkns)5=2n1Γkns+1=Υk+1n1Γkns.
7k について適用してみると、74=Υ233ord102(7)=4であったから、命題7より、n>0の間は
ord102(7)=474=Υ233,ord103(7)=5ord102(7)=20720=(74)5=(Υ233)5=Υ32Γ233,ord104(7)=5ord103(7)=1007100=(720)5=(Υ32Γ233)5=Υ41Γ32Γ233,ord105(7)=5ord104(7)=5007500=(7100)5=(Υ41Γ32Γ233)5=Υ50Γ41Γ32Γ233,
となり、ここで n=0 となるので、ord106(7)=10ord105(7)=5000となる。

前節の結果と合わせてまとめると、次表のようになる。

kA=10kB7=ord10k(7)B7/AB=φ(10k)B/AB7/B
1    10  40.4      40.41     
2   100  40.04    400.40.1   
3  1000 200.02   4000.40.05  
4 100001000.01  40000.40.025 
51000005000.005400000.40.0125
6100000050000.0054000000.40.0125
710000000500000.00540000000.40.0125

表の見かたであるが、たとえば、k=4 で言えば、25を素因数に含まない自然数の羃の下4桁は、4000種類あるのが普通だが、ナナベキに関しては 100 種類しか現れない、ということである。

投稿日:20231112
更新日:2023121
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  1. はじめに
  2. はじめにまとめ
  3. ナナベキの下 2 桁
  4. ナナベキの下 2 桁は 4 種類しかない
  5. 連続する4ナナベキの和の下 2 桁
  6. 「位数」あるいは「下 k 桁の種類数」
  7. 位数
  8. m 進数表示の下 m
  9. 7の位数 (m=10,100)
  10. オイラーの定理とトーシェント関数
  11. 10k を法とした 7 の位数
  12. mk を法とした位数がわかっているときの mk+1 を法とした位数
  13. 高次ナナベキ