$\mathbb{Q}=(\mathbb{Q},+)$は加法に関してアーベル群である.
$\mathbb{Q}$の有限生成部分群$H$は, $\dfrac{n_i}{m_i}\in \mathbb{Q}$ ($i=1,\dots,k$)を用いて, $H=\sum \mathbb{Z}\dfrac{n_i}{m_i}$とかけるものである.
$m_i$たちを割らない素数$p$をとれば$H \subset \mathbb{Z}_{(p)}$であるから, $H$は可除でない(十分大きい$p$のべきで割れない).
特に, $\mathbb{Q}$は有限生成ではない.
また, $\mathbb{Q}$は可除である.
よって, 任意の全射準同型$\mathbb{Q} \to K$に対して, $K$は可除である.
特に, 次を得る.
有限生成部分群$H$に対して$\mathbb{Q}\cong H\oplus K$なる群$K$があるなら, $H=0$.
一般に, $\mathbb{Q}\cong H\oplus K$とならないことは次のように分かる.
$H, K$は$\mathbb{Q}$の部分群に同型だからtorsion-freeであり, $\mathbb{Q}$の商群であるから可除である.
よって$H,K$は$\mathbb{Q}$ベクトル空間の構造を持つ.
同型$\mathbb{Q}\cong H\oplus K$の両辺の$\mathbb{Q}$ベクトル空間の次元を比較すれば, $H$または$K$は自明となる.