$100$以下の$7$の倍数のうち, $7$次対称群$S_7$の部分群の位数として現れるものを全て求めろ.
Sylowの定理(Cauchyの定理)より有限群$G$の位数が$7$の倍数であることの必要十分条件は$G$が位数$7$の元を含むことである. $S_7$の位数$7$の元は長さ$7$の巡回置換のことであり, 対称群の性質よりそれらは全て共役なので巡回置換$\sigma = (1~2~3~4~5~6~7)$を含む$S_7$の部分群の位数としてあり得るものを全て求めれば良い.
$S_7$の位数$7$の元の個数は長さ$7$の巡回置換の数に等しく, それは$7!/7$個ある. $S_7$の位数は$7!=2^4\times 3^2 \times 5 \times 7$なので$7$-Sylow部分群の位数は$7$であり, それゆえ異なる$2$つの$7$-Sylow部分群の共通部分は単位元のみからなる部分群である. よって, $S_7$の$7$-Sylow部分群の個数は$7!/(7\times 6)$個である. よってSylowの定理から$7$-Sylow部分群の正規化群の位数は$7\times 6 =42$である.
さて$\langle \sigma \rangle$の正規化群を$N$とする. $N$の位数は$42$なのでSylowの定理(Cauchyの定理)より$N$は位数$2, 3$の部分群を含む. それらをそれぞれ$H, K$とする. $\langle \sigma \rangle$は$N$の正規部分群なので$\langle \sigma \rangle H, \langle \sigma \rangle K$はそれぞれ$N$の, よって$S_7$の部分群となり位数は$14, 21$である. そしてもちろん$\langle \sigma \rangle$は$S_7$の位数$7$の部分群である. よって$7, 14, 21, 42$は$S_7$の部分群の位数として現れる.
次にこれら以外のものは現れないことを示す.
まず, 位数$28$の群の$7$-Sylow部分群の個数はSylowの定理より$28/7=4$の約数で$7$で割った余りが$1$である. よって$1$個であり, ゆえに$7$-Sylow部分群は正規である. したがって, 仮に$S_7$に位数$28$の部分群があれば$N$は位数$28$の部分群を含むが, $N$の位数は$42$なのでこれはあり得ない. よって$S_7$は位数$28$の部分群を含まない. 同様に$S_7$は位数$35, 63, 70, 84$の部分群を含まない.
また$S_7$の位数は$2^4\times 3^2 \times 5 \times 7$なので$S_7$は位数$49, 77, 91, 98$の部分群を含まない.
さて$\sigma$を含む位数$56$の$S_7$の部分群$M$が存在したとする. Sylowの定理より, $M$の$7$-Sylow群の個数は$1$個であるか$8$個である. $1$個であるとすると位数$28$での議論と同様にして矛盾が起きるため$8$個である. よって$M$には位数$7$の元が$(7-1) \times 8 = 48$個ある. 残りの$8$つの元が$2$-Sylow部分群をなすため, $M$の$2$-Sylow部分群$A$は正規である. $\sigma \in M$であるため$\langle \sigma \rangle$は$A$に共役によって作用する. $A \setminus \{e\}$($e$は$S_7$の単位元)を$\langle \sigma \rangle$の作用の軌道で分解した時の軌道は, 長さ$1$のものが$7$個であるか, 長さ$7$のものが$1$個である. 前者だとすると$A$の元は$\sigma$と可換になるため$A \subset N$となるが, これは位数を考えれば矛盾である. よって$\langle \sigma \rangle$は$A \setminus \{e\}$に推移的に作用し, $A \setminus \{e\} = \{\sigma^j \tau \sigma^{-j} \mid j=1, 2, \ldots, 7\}$である.
$A$の位数は$2$の冪なので$A$の$\{1, 2, \ldots, 7\}$への自然な作用を考えると, 必ず不動点$m$が存在する. ここで, $\tau \in A \setminus \{e\}$とし$\{i \in \{1, 2, \ldots, 7 \} \mid \tau(i) = i\} = \{m= i_1, \ldots , i_n\}$とすると$j=1, 2, \ldots, 7$に対し$\{i \in \{1, 2, \ldots, 7 \} \mid \sigma^j \tau \sigma^{-j} (i) = i\} = \{i_1-j, \ldots , i_n-j\}$である(ただし7で割った余りで考える).
各$j$に対し$m \in \{i_1-j, \ldots , i_n-j\}$なので$m+j \in \{m= i_1, \ldots , i_n\}$である. よって$\{m= i_1, \ldots , i_n\}= \{1, 2, \ldots , 7\}$となるが$\tau \neq e$なのでこれはあり得ない. ゆえに$S_7$は位数$56$の部分群を含まない.
よって$7, 14, 21, 42$が求める全ての数である.