こんばんは, おはぎです.
前回
, 古代エジプトの計算方法(和差積)について述べました. 今回は分数について解説していきます.
今回は単なる古代エジプト風の計算であることに注意して読み進めてほしい.
$a$:任意の自然数
単位分数とは次の形で表される分数である.
\begin{equation}
\frac{1}{a}
\end{equation}
古代エジプトではいくつかの単位分数(ただし同じものは$2$回使えない)と$\boldsymbol{\frac{2}{3}}$の和を用いて様々な分数を表していました.
???????????????
$\boldsymbol{\frac{2}{3}}$ってなに??
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\begin{equation}
\frac{2}{3}=\frac{1}{2}+\frac{1}{6}
\end{equation}
このように$\frac{2}{3}$は単位分数の和で表すことができるのに, 何故, $\frac{2}{3}$は特別に扱われるのだろうか. (私は知らない, 知っている方がいればコメントしてくれると幸いです. )
分子$2$の既約分数を考えてみよう.
$n$を用いて分子が$2$である既約分数を$\frac{2}{n}$と表すと,自然数$m$を用いて,
$n=2m+1\quad(\text{$m$は自然数})$となるから,
\begin{eqnarray}
\frac{2}{n}=\frac{2}{2m+1}
\end{eqnarray}
これは次のように表せる.
\begin{eqnarray}
\frac{2}{2m+1}=\frac{1}{m+1}+\frac{1}{(m+1)(2m+1)}
\end{eqnarray}
右辺を計算すればわかる.
これによって, 分子が$2$である既約分数は必ず単位分数の和によって表せる.
ただし, 表し方は一意でない.
既約分数で分子が$2$以外のものを考える.
$\frac{13}{17}$を単位分数(及び$\frac{2}{3}$)を用いて表せ. (ただし, 同じ数を二度用いてはならない)
まず, $13$を以下のように分ける.
\begin{eqnarray}
13&=&2^3+2^2+1\\
&=&(2^2+2)\cdot 2+1\\
&=&6\cdot 2+1
\end{eqnarray}
すると, (ここから一気に)
\begin{eqnarray}
\frac{13}{17}&=&\frac{6\cdot 2+1}{17}\\
&=&6\cdot \frac{2}{17}+\frac{1}{17}\\
&=&6\cdot (\frac{1}{9}+\frac{1}{153})+\frac{1}{17}\\
&=&\frac{2}{3}+\frac{2}{51}+\frac{1}{17}\\
&=&\frac{2}{3}+(\frac{1}{26}+\frac{1}{1326})+\frac{1}{17}\\
&=&\frac{2}{3}+\frac{1}{17}+\frac{1}{26}+\frac{1}{1326}
\end{eqnarray}
$3$行目から$4$行目は約分を用いている.
他の表し方として, $\displaystyle{\frac{1}{2}+\frac{1}{4}+\frac{1}{68}}$などがある.
$\frac{5}{13}$を単位分数(及び$\frac{2}{3}$)を用いて表せ. (ただし, 同じ数を二度用いてはならない)
例えば$\frac{1}{4}+\frac{1}{13}+\frac{1}{28}+\frac{1}{46}+\frac{1}{4186}$や$\frac{1}{4}+\frac{1}{13}+\frac{1}{26}+\frac{1}{52}$他には$\frac{1}{3}+\frac{1}{20}+\frac{1}{780}$などが挙げられる.
Part.1,Part.2と読んでくれた方は居るかな?
これで古代エジプト(風)の計算方法は理解したと思います. これをどう活かすかはあなた次第です. ただ知識が増えたと思うだけでもよし(私は結構こういうのも好き), 他の数学に転用できないかを考えるのもよし, 古代エジプトの計算に興味を持ってパピルスを漁るのもよし, 古代エジプトの問題で未解決のものに取り組むのもよしです.
あなたなりの, 古代エジプトライフ()を楽しんでください.
次回の記事は未定. (古代エジプトではないものを掲載します)
気持ちが落ち込んでるときに書く記事は最高だね!