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位数15の群の分類

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位数15の群野分類

この記事では位数15の群を分類します。
まずは結論から

位数15の群は巡回群$\mathbb{Z}/15\mathbb{Z}$に限られる。

まず、位数15の元があるなら、命題1は直ちに従います。よって、そうでない場合を考え、その後そんなことは起こりえないということを示す方針で行きます。
次の用語を今後使います。

$p$シロー群

$G$について、$|G|=p^am$であるとする。ただし、$a$の取り方として、$p$$m$が互いに素になるようにする。また、$a\neq 0$とする。
この時、位数$p^a$$G$の部分群$P$を"シロー$p$部分群"という。

ラグランジュの定理より$G$が位数$15$の元を持たないとき、$G$の単位元以外の元は位数$3$$5$です。
ここで、一旦次の補題を証明します。

一意性

$G$のシロー5部分群$H$は存在すれば一意である。
(存在性は最後に証明する。)

補題2

$H$以外に$H'$$G$の部分群で位数5であったとすると、
$H\cap H'$$H$(または$H'$)の部分群なので、$|H\cap H'|=1,5$であるが、$H\neq H'$なので、$|H\cap H'|=1$である。(特に$H\cap H'=\{1\}$ )
$HH'=\{hh'|h\in H,h'\in H\}$とおくと、$|HH'|=25\leqq|G|$
となるので、不合理。

$|HH'|=25$になる理由

$\phi:H\times H'\rightarrow HH',(h,h')\rightarrow hh'$とする。$h_1h'_1=h_2h'_2$を仮定すると、$h_1h_2^{-1}=h'_2h _1'^{-1}\in H\cap H'=\{1\}$なので、$h_1=h_2,h'_1=h'_2$となるので、$\phi$は単射でまた全射でもあるから、$|H\times H'|=|HH'|=25$となる。

これを用いて命題1を証明する。

命題1

位数5の元と位数3の元が少なくとも一つずつは存在するとき、$G$は巡回群であることを示そう。
位数5の部分群を$H$、位数3の部分群を$K$とする。
この時、$H\cap K$$H$$K$の部分群になるので、ラグランジュの定理より、$H\cap K=\{1\}$となる。
ここで、$HK=\{hk|h\in H,k\in K\}$という集合を考える。
$h_1k_1=h_2k_2$であるとすると、$h_1h_2^{-1}=k_2k_1^{-1}$
となるが、両辺は$H\cap K$の元なので、$h_1h_2^{-1}=k_2k_1^{-1}=1$
これは、$H\times K$から$HK$への写像$f:(h,k)\rightarrow hk$が単射であることを表している。(また、全射でもある)
よって、$|G|=|H\times K|=|HK| $となる。
ここで、$H$$K$の元が互いに可換であることを示そう。
$1\neq x\in H,g\in G$に対して、$(gxg^{-1})^n=gx^ng^{-1}$であることに着目すれば、$x$$gxg^{-1}$の位数は一致するので、$gxg^{-1}$の位数は5である。シロー5部分群$H$は存在すれば一意なので、$H$の元以外で、位数5の元は存在しない。つまり、$gxg^{-1}\in H$である。よって、$H$は正規である。この時、$G/H$は位数3の巡回群で$\{H,aH,a^2H\}$($a\notin H$)とかける。$G$には位数15の元が存在しないという仮定をしていたので、$a^3\in H$より、$a$の位数は3となる。$axa^{-1}=x^m\in H$とおくと、
$x=a^3xa^{-3}=x^{m^3}$ ゆえに$m^3\equiv 1 \mod5$よって、$m=1$となり、可換であることが分かった。
$f:H\times K\rightarrow HK$について、準同型であることを証明しよう。$f((h_1,k_1)(h_2,k_2))=f(h_1h_2,k_1k_2)=h_1h_2k_1k_2$
一方で、$f(h_1,k_1)f(h_2,k_2)=h_1k_1h_2k_2$
$H$$K$の元は可換なので、両者は等しいことがわかる。
つまり、$H\times K $$HK=G$は同型で、$G=\mathbb{Z}/5\mathbb{Z}\times \mathbb{Z}/3\mathbb{Z}=\mathbb{Z}/15\mathbb{Z}$となる。

写像$f:A\rightarrow B$が同型であるとは、$f$が全単射準同型であることで、
$f$が準同型であるとは、$f(ab)=f(a)f(b)$が成立することをいう。

上の証明では、$a\notin H$としたが、$a$が位数3であることを確認できたため、$K$は一意とは限らないが、後から$a$が含まれるものを選べばいい。

$H$の一意性を示す部分で、$HH'$を扱ったが、これは一般に群になるとは限らない。しかし$G$の部分集合としてみると、位数が不合理になるという事実は間違っていない。
一方その後の$HK$については$H$が特に正規部分群なので、群になる。

$G$に位数5元が存在すれば位数5の部分群$H$が存在し、上の証明をたどって、位数3の元も存在することがわかる。
よって、命題1の証明の冒頭の仮定は位数5の元が存在することさえ確認しておけばいい。

存在性

$G$には位数5の元が存在し、したがって、シロー5部分群$H$がただ一つ存在する。

補題3

$G$に位数5の元が存在しないと仮定すると、位数15の元も存在せず、ラグランジュの定理より、$G$には位数3の元と単位元しか存在しない。
各位数3の元によって生成されることなる部分群は複数あるが、それを$H_1,...,H_n$とおく。$i\neq j\Rightarrow H_i\neq H_j$であり、$H_i\cap H_j =\{1\}$ゆえにどの2つの$H_i,H_j$を選んでも、$2$つの要素はかぶらない。よって
$1+2n=15$($1$は単位元、$n$$H_i$の個数)より、$n=7$
ここで、$\mathcal{S}=\{H_1,...,H_7\}$とおき、写像$\phi_g: \mathcal{S}\rightarrow \mathcal{S},H_i\rightarrow gH_ig^{-1}=\{ghg^{-1}|h\in H\}$を考える。($gHg^{-1}$は位数3の群なので、$\mathcal{S}の元である。$)
$H_i(1\leqq i \leqq7)$はそれぞれ、$\phi_g$によって$H_j(1\leqq j \leqq 7)$に移る。
例えば、$gH_1g^{-1}=H_2$のように移ることもあれば、$gH_3g^{-1}=H_3$のように、ある$g$によっては不変の$H_i$が存在する場合もある。
ここで、ある$H_i$を一つ固定して、その$H_i$を動かさない$G$の元全体を考える。今回は例えば$H_1$を選んで、
$N_1(H)=\{g| gH_1g^{-1}=H_1\}$としよう。この時$N_1(H)$は群になる。(単位元$1$$H_1$を動かさない。また、$h_1\in H_1$に対して、$gh_1g^{-1}\in H_1$ならばその逆元も$H_1$に含まれるから、逆元の存在も保証されている。)
ここで、$H_1$の元同士の演算は再び$H_1$の元になるので$H_1\subset N_1(H)$であり、$H_1\leqq N_1(H)\leqq G$という関係の中で、ラグランジュの定理を用いれば、$|N_1(H)|=3,15$を得る。
ただし、$N_1(H)=G$であるなら、$H_1$が正規ということになり、仮定に反するので、$N_1(H)=H_1$となることがわかる。これは$\mathcal{S}$の任意の元に対し同じことが言える。
次に、写像$f:G\times \mathcal S\rightarrow \mathcal{S},(g,H_i)\rightarrow gH_ig^{-1}(=g*H_i)$とし、
$G_{H_i}=\{g|g*H_i=H_i\}\subset G$,$G*H_i=\{g*H_i|g\in G\}\subset \mathcal{S}$とおく。この時、$f$$G$軌道であり、$N_1(H)=G_{H_i}$となることは直ちにわかる。軌道と固定部分群の関係から、$|N_1(H)||G*H_i|=|G|=15$
ゆえに$|G*H_i|=5$となる。
ここで、$H_i\in G*H_1$であるとき、$\exists g_0 \in G,g_0*H_1=H_i$なので、$G*H_i=\{g*H_i|g\in G\}=\{g'g_0^{-1}*H_i|g'\in G\}=G*H_1$
つまり、$i\neq j$について、$G*H_i=G*H_j$または、$G*H_i\cap G*H_j=\varnothing$が成立し、
$\displaystyle\mathcal{S}=\coprod_{i}G*H_i$
より、両辺の位数を比べて、$5|7$を得るので不合理。
以上より位数5の元が存在することが証明された。

投稿日:10日前
更新日:8日前
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