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高校数学解説
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じゅんにーさんの過去最高難度問題について初等的に考察

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問題

整数nに対して偶数なら2で割り、奇数なら二乗して1を引くという操作を繰り返したとき有限回の操作で整数が0になるとき、元の整数を良い整数する。良い整数を全て求めよ。

じゅんにーさんの記事

予想

良い整数は
n=±2lmlZ0,m{2k1 | kN}{2k+1 | kN}{11,23,181}
であると予想している。
 以下の予想を仮定し、議論を行う。この予想より弱い主張を後で解く。

正の整数xにおいて2l±2m+1=x2を満たす正の整数l,mが存在するときx{2k1 | kN}{2k+1 | kN}{11,23,181}である。

予想が正しいと仮定しての証明

 まずnは正かつ奇数であるとして良い。
 正の奇数に対して定義された関数ff(x)={       1  x=1x212υ2(x21)x1
と定める。nが良い整数であることと正の整数aが存在してfa(n)=1となることが同値である。
f(2m±1)={       1  m=12m1±1m2
であるからA={2k1 | kN},B={2k+1 | kN}と定めたときnABは良い整数である。以降nABで良い整数を考える。
 nABが良い整数とするとある正の整数aが存在してfa(n)=1である。f(AB)=ABであるからある正の奇数xABが存在してf(x)ABとなる。このようなxについて考える。
 f(x)ABx212υ2(x21)=2k±12l±2m+1=x2を満たす正の整数l,mが存在する。
この同値が成り立ち、xABかつ2l±2m+1=x2となるxは予想からx{11,23,181}である。よって
xAB,f(x)ABx{11,23,181}
 次にf(x){11,23,181}となるxを考える。11,23,181は全て素数であるのでp{11,23,181}とする。p2υ2(x21)+1=x2
p2υ2(x21)2=x+12x12
{p,2υ2(x21)2}={x+12,x12}
|p2υ2(x21)2|=1
しかしこれは矛盾である。よってf(x){11,23,181}となるxは存在しない。
 まとめると、正の整数aが存在してfa(n)=1となるような正の奇数n{2k1 | kN}{2k+1 | kN}{11,23,181}のみであり、よい整数はこれに2の累乗と±を掛けたものが答えとなる。

予想について

 私はこの予想を証明することが出来なかった。この予想より弱い主張を以下を示す。

2l2m+1=x2となる正の整数l,mが存在するような正の整数xAB11,181のみである。
(2723+1=112,21523+1=1812)

定理1の証明

2l2m+1=x2  (1)
 方針としてはx2+(2m1)y2=2lとなる正の奇数x,ylが特定の条件のとき一意に存在し、そのx,yの値を求めることが原理的に可能であるのでy=1となるものを求める。
 明らかにlmであり、x218の倍数であるからm3である。

(1)においてlが偶数のときl=m,2m2が必要。

(1)からx21(mod2m)x±1(mod2m1)x=1 or x2m11
x=1ならばl=mであるのでx2m11とする。そのとき
2l2m+1=x222m22m+1l2m2
一方、2l2m+1=x2<(2l2)22l2m+1(2l21)2=2l2l2+1+1
l2m2
よってl=2m2である。

x2+(2m1)y2=2l
となる正の奇数x,yが存在する必要十分条件はl=(m2)k+2(kN)でありそのようなx,yは一意に存在する。また、そのようなyの値は y1=y2=1,yi+2=yi+12m2yiにおける|yk|である。

l=(m2)k+2が必要条件であることの証明

l(m2)k+2で存在すると仮定し、l0をそのうち最小のものとする。また、(x0,y0)l=l0における解とする。
2l0=x02+(2m1)y021+2m1=2m
よりl0mでありl0=mであるとするとl0(m2)k+2に矛盾するのでl0m+1である。
x02y02x02+(2m1)y022l00(mod2m)
x02y02x02+(2m1)y022my022l02my022my020(mod2m+1)
よりυ2(x02y02)=mでり、x0,y0は奇数であるからυ2(x0y0)=m1またはυ2(x0+y0)=m1である。
 υ2(x0y0)=m1のとき
(2y0+x0y02m1)2+(2m1)(x0y02m1)2=12m2(x02+(2m1)y02)=2l0m+2となり、2y0+x0y02m1,x0y02m1は共に奇数であるからl=l0m+2(m2)k+2(2y0+x0y02m1,x0y02m1)という解を持つのでl0の最小性に矛盾する。
 同様にυ2(x0+y0)=m1のときl=l0m+2において(2y0+x0+y02m1,x0+y02m1)という解を持つので最小性に矛盾する。

l=(m2)k+2のとき存在することの証明

x1=y1=1,
{xi+1=xi(2m1)yi2yi+1=xi+yi2(2)
としたとき(x,y)=(|xk|,|yk|)が題意を満たすことを示す。特にxk,ykが奇数かつxk2+(2m1)yk2=2(m2)k+2を示せば十分である。

 xk,ykが奇数であることの証明

xi+1+yi+1xi(2m11)yixi+yi(mod4)
より帰納的にxi+yix1+y12(mod4)である。k2のとき
2xk=xk1(2m1)yk1xk1+yk12(mod4)
2yk=xk1+yk12(mod4)よりxk,ykは奇数であり、x1,y1は明らかに奇数であるから示された。

 xk2+(2m1)yk2=2(m2)k+2の証明

x12+(2m1)y12=2mかつ
xi+12+(2m1)yi+12=(xi(2m1)yi2)2+(2m1)(xi+yi2)2=2m2(xi2+(2m1)yi2)
であるから帰納的に得る。
 (2)からxiを消去するように変形するとy1=y2=1,yi+2=yi+12m2yiを得る。

高々1つしか存在しないことの証明

{x2+(2m1)y2=2lx2+(2m1)y2=2l(3)
となる正の奇数xx,yyが存在すると仮定して矛盾を示す。
(x2+(2m1)y22l)y2(x2+(2m1)y22l)y2=0
(xy+xy)(xyxy)=2l(y2y2)
y2y28の倍数であるから(xy+xy)(xyxy)2l+3の倍数であり、xy,xyは奇数であるからxy+xyまたはxyxy2l+2の倍数である。ここでxy=xyならばy2=y2y=yとなり仮定に矛盾するのでxyxyである。xy+xy2l+2または|xyxy|2l+2を得る。どちらにしろmax(xy,xy)2l+1であり任意の正の整数a,bにおいてmax(a2,b2)abであるから
2l+1max(xy,xy)max(x2,y2,x2,y2)
しかしこれは(3)から大小関係より矛盾である。

以降|yk|=1となるkのみ考えれば良い。

kが偶数のとき|yk|=1となるものはk=2のみ。
また、kが奇数のときyk=1となるものはk=1のみ。

 kが偶数のときlは偶数であり、補題2より|yk|=1となるのはk=2のみである。
 kが奇数のときyi+2=yi+12m2yiyi+1+2m2(mod2m1)
であり、i2のとき
yi+2yi+1+2m2yi+2m1yi(mod2m1)
またy32m2+1(mod2m1)であるからk3のときyk2m2+1(mod2m1)となり特にyk=1とならない。

 以降yk=1となる奇数k3について考える。
 m3のときとそれ以外のときに分けて考える。

m4のとき

yi+2yi+12m2yiyi+1(mod4)
y1=y2=1と合わせてyk1(mod4)となり特にyk=1とならないので|yk|=1となるk1,2のみ。このときl=m,2m2でありx=1,2m11となり、このときxABとなるので定理1を満たすxは存在しない。

m=3のとき

y1=y2=1,yi+2=yi+12yi

yi=12i1j=0[i12]iC2j+1(7)j

数列{yi}は三項間漸化式であるから解くとyi=(1+72)i(172)i7
二項定理で展開して整理すると
(1+72)i(172)i7 =12i7(j=0iiCj(7)jj=0iiCj(1)j(7)j)
=12i7(j=0[i2](iC2j(7)2jiC2j(1)2j(7)2j)+j=0[i12](iC2j+1(7)2j+1iC2j+1(1)2j+1(7)2j+1))
=12i7(27j=0[i12]iC2j+1(7)j)
=12i1j=0[i12]iC2j+1(7)j

正の整数jにおいてjυ7((2j+1)!)1

j=1のとき明らか。
j2のときルジャンドルの定理から
υ7((2j+1)!)=i=1[2j+17i]i=12j+17i=2j+16j1
より補題を得る。

kを正の奇数、1jk12のときa+kC2j+1(7)jkC2j+1(7)j(mod7υ7(a)+1)
また、jk+12のとき
a+kC2j+1(7)j0(mod7υ7(a)+1)

上の等式の証明

a+kC2j+1(7)jkC2j+1(7)j(mod7υ7(a)+1)
(a+k)(a+k1)(a+k2j)7υ7((2j+1)!)(2j+1)!(7)j7υ7((2j+1)!)k(k1)(k2j)7υ7((2j+1)!)(2j+1)!(7)j7υ7((2j+1)!)(mod7υ7(a)+1)
ここで補題6より(7)j7υ7((2j+1)!)7の倍数であるから
(a+k)(a+k1)(a+k2j)7υ7((2j+1)!)(2j+1)!k(k1)(k2j)7υ7((2j+1)!)(2j+1)!(mod7υ7(a))
を示せば十分。(2j+1)!7υ7((2j+1)!)は整数であり7と互いに素であるから
(a+k)(a+k1)(a+k2j)7υ7((2j+1)!)(2j+1)!k(k1)(k2j)7υ7((2j+1)!)(2j+1)!(mod7υ7(a))
(a+k)(a+k1)(a+k2j)k(k1)(k2j)(mod7υ7(a))
この合同式は明らかに成り立つので補題を得る。

下の等式の証明

υ7(a+kC2j+1(7)j) =υ7((a+k)(a+k1)(a+1)a(a1)(a+k2j))υ7((2j+1)!)+υ7((7)j)
υ7(a)υ7((2j+1)!)+j υ7(a)+1 6
よって補題を得る。

yk=yk=1かつkk(mod42)となる相異なる正の整数の組(k,k)は存在しない。

 存在すると仮定して矛盾を示す。
k<kとしkk=aとする。
a0(mod42)であるからオイラーの定理より7と互いに素な整数tにおいてta1(mod7υ7(a)+1)が成り立つことに注意する。補題5から
2k1=j=0[k12]kC2j+1(7)j
2k12a+k1=j=0[a+k12]a+kC2j+1(7)j(mod7υ7(a)+1)
j=0[k12]kC2j+1(7)jj=0[a+k12]a+kC2j+1(7)j(mod7υ7(a)+1)
一方補題7から
j=0[a+k12]a+kC2j+1(7)j a+kC1+j=1k12a+kC2j+1(7)j+j=k+12[a+k12]a+kC2j+1(7)j
a+k+j=1[k12]kC2j+1(7)j+0(mod7υ7(a)+1)
j=0[k12]kC2j+1(7)ja+k+j=1[k12]kC2j+1(7)j(mod7υ7(a)+1)
ka+k(mod7υ7(a)+1)a0(mod7υ7(a)+1)
これは矛盾である。

|yk|=1となるkk=1,2,3,5,13のみ。

|y1|=|y2|=1は簡単に得る。
k3のとき
補題5からyk=1のとき
2k1=j=0[k12]kC2j+1(7)j2k1k(mod7)
上の合同式の周期は21であるから満たすようなkを計算するとk3,5,13(mod21)また補題4からkは奇数でありk3,5,13(mod42)となる。
k=3,5,13のときyk=1となるので補題8よりこれ以外に存在しない。よって補題を得る。

k=1,2,3,5,13のときl=3,4,5,7,15であり、このときx=1,3,5,11,181となる。このうちxABとなるのは11,181のみであるので定理1を得る。

最後に

 以下の予想は この記事 で示されていることを使えば示せそう。

2l+2m+1=x2となる正の整数l,mが存在するような正の整数xAB23のみ。
(29+24+1=232)

初等的に示せる方法を探したい。

 

参考文献

投稿日:20241212
更新日:20241213
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  1. 問題
  2. 予想
  3. 予想が正しいと仮定しての証明
  4. 予想について
  5. 定理1の証明
  6. m4のとき
  7. m=3のとき
  8. 最後に
  9. 参考文献